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7月10日(月)・11日(火)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)で行われた
「pGLOバクテリア遺伝子組み換え実験」を取材しました。

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紫外線を当てると緑色蛍光に光る性質のオワンクラゲから得られた
緑色蛍光タンパク(GFP)の遺伝子を、バクテリアである大腸菌に遺伝子導入します。

大腸菌のコロニーは本来白色ですが、遺伝子組み換えによって性質が変わり
オワンクラゲと同様に紫外線(UV)によって緑色蛍光に光る性質に変化します。

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(図1)今回大腸菌に組み込むプラスミド DNA

学習のテーマは、遺伝子組み換え技術の理解と、
遺伝子発現の制御について学ぶことです。

3時間の座学による原理説明と3時間の無菌操作の練習を経て、
いよいよ遺伝子組み換え当日となりました。

<1日目 遺伝子組み換え操作>

プラスミドDNAと呼ばれる環状DNAを大腸菌に導入しました。
このプラスミドDNA中に緑色蛍光タンパク(GFP)の情報も含まれています。

また、プラスミドDNAを取り込むことに成功した大腸菌だけを選別するため、
プラスミドDNA内には抗生物質であるアンピシリン(amp)耐性遺伝子も含まれています。

本来、大腸菌は抗生物質であるアンピシリン存在下では死んでしまいますが、
プラスミドDNAを取り込むことに成功した大腸菌はアンピシリン入りの培地でも生育可能なため、
この性質を利用して、プラスミドDNAを取り込むことに成功した大腸菌を選別します。

大腸菌とプラスミドDNA溶液を混ぜて、
4℃→42℃(50秒)→4℃
という急激な温度変化(ヒートショック)を与えることで、
大腸菌にDNAを取り込ませます。

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42℃50秒は正確さが求められるため、
生徒たちもタイマーを構え、緊張の面持ちで行いました。

この実験はガスバーナーを使った火炎滅菌という方法での無菌操作で行いましたが、
とても暑くて生徒たちはたいへんでした。

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次に、ヒートショック後の大腸菌を、下図の①~④の4種類のプレートに広げます。
(まる1日培養し、結果は翌日観察します)

<a>
+DNA(DNAを加えた大腸菌)は
LB/amp、LB/amp/ara プレート上で培養します(下の図①、②)。


<b>
-DNA(DNAを加えていない大腸菌)は
LB/amp、LB プレート上で培養します(下の図の③、④)。

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(図2)今回の実験で使用する4種類のプレート

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この実験では、4種類中のプレート①と②に注目します。
(図④は培養が順調であることを確認する為のコントロール=対照実験。)
(図③は抗生物質であるアンピシリン(amp)が、
大腸菌に対して効いていることを示すコントロールです。)

プレート①は、大腸菌のコロニーが生えてくれば遺伝子導入が成功したことになります。
プラスミドDNAを取り込むことができた大腸菌は、抗生物質であるアンピシリン(amp)に対して抵抗性を持ち、
①のアンピシリン入りの培地でも生き残ることができるため、
①にコロニーが得られた場合は遺伝子組換え操作が成功したことになります。

プレート②は、コロニーが得られかつUVランプで緑色蛍光に光れば、
遺伝子組換えが成功し、さらに緑色蛍光タンパク(GFP)つくられたことになります。
②には①に加えてアラビノース(ARA)という糖が入っています。
プラスミドDNA内のGFP遺伝子がはたらくためには、アラビノース(ARA)がスイッチとして必要な物質ですが、
②はアラビノース入りの培地のためGFPが発現し、UVで緑色蛍光に光ることになります。

さて、結果を楽しみに、翌日まで大腸菌を37℃のインキュベーターで1日培養します。

4枚中②のプレート1枚だけ緑色蛍光に光っていれば実験成功です!

<2日目 結果観察>

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写真では見えにくいですが、左から①、②、③、④のシャーレがあり、
紫外線(UV)ランプを照射しています。
予想通り、②のプレートが緑色蛍光に光りました。つまり、緑色蛍光タンパク(GFP)がつくられたことになります。

まとめると、①のプレートには多数のコロニーがありますが白色です。
②のプレートには多数のコロニーがあり、UVランプにより緑色蛍光に光っています。
③のプレートにはコロニーは1つもありません。
④のプレートにはコロニーが多数ありますが白色です。

以上、全てのプレートが予想通りの結果となりました。

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(写真)緑色蛍光のコロニー

生徒のみなさんにとっては、
自分の手を動かしながら科学のおもしろさに触れ、
日ごろの学習内容を再確認する貴重な体験となりました。

高等科3年の選択生物では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
次回は、動物組織の超薄切片を作製し、染色していく実験を行う予定です。

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学習院初等科の6年生は、7月末の夏休みに、
静岡県沼津にある学習院沼津游泳場で4泊5日の海浜教育を行います。
現在、体育の授業では、沼津での距離泳を想定した練習に取り組んでいます。

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(写真)沼津海浜教育に向けて

沼津海浜教育は明治時代から続く伝統の行事で、
初等科6年間の水泳教育の集大成です。

子どもたちは自分の背よりも深い海で、波や潮の流れがある中、隊列を組んで、
それぞれの泳力に合う距離泳(2000メートル、1000メートル、500メートル)に挑戦し、
完泳することを目標にしています。

体育の授業では、本番同様に男子は赤ふんどし、女子は赤いさらしを巻き、
顔をあげたまま平泳ぎで長時間泳げるよう、練習を積み重ねています。

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学習院初等科のホームページでは、
酒井竹雄初等科長が綴る「科長ブログ」( http://info.ps.gakushuin.ac.jp/kacho/ )と、
先生方による「初等科NEWS」( http://info.ps.gakushuin.ac.jp/news/ )の
2つのブログで、初等科の活動や子どもたちの様子を随時ご紹介しています。
ぜひご覧ください。

◆科長ブログ◆
5/31更新「地引網」
http://info.ps.gakushuin.ac.jp/kacho/2017/05/post_47.html
6/23更新「唐招提寺」
http://info.ps.gakushuin.ac.jp/kacho/2017/06/post_49.html

◆初等科NEWS◆
5/31更新「はじめての家庭科」
http://info.ps.gakushuin.ac.jp/news/2017/05/post_158.html
6/7更新「3年埼玉校外学習」
http://info.ps.gakushuin.ac.jp/news/2017/06/post_159.html


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5月29日(月)・5月31日(水)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

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今回は、「PCR実験(ポリメラーゼ連鎖反応)」を行いました。

頬の口腔上皮細胞からDNAを抽出し、
DNAが自己複製をする性質を利用してDNAの複製を行います。

DNAは頬から取り出すのですが、量がとても少ないため肉眼で見ることはできません。
そこでこれを、PCRにかけることで2の40乗という膨大な量に複製します。
すると、ゲル電気泳動にかけた際、DNAがバンドとして視覚化することができるようになります。
PCRの原理を学び、自分自身のDNAを観察することが、この実験の目的です。

実験方法は次のように行いました。

頬から細胞を取り出し、インスタジーンマトリックスという試薬と混ぜます。
これにより、不要なDNAの分解を止めます。

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自分の頬から細胞を取り出す
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取り出した細胞にインスタジーンマトリックスを混ぜ、不要なDNAの分解を止める

高温のウォーターバスに入れることで、細胞をほぐし、
DNA分解酵素のはたらきを止め、細胞を破砕(はさい)します。
そして溶液中にDNAを抽出させます。

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ウォーターバスで細胞を破砕

遠心分離機でインスタジーンマトリックスを除き、
上清のDNA抽出液を、PCR反応溶液と混ぜます。
PCR反応溶液中にはDNAポリメラーゼなどDNA合成に必要な要素が入っています。

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DNA抽出液をPCR反応溶液と混ぜる

サーマルサイクラーにかけてPCRを行い、DNAを自動的に2の40乗まで増やします。
計算上、1本のDNAからおよそ1兆本まで増えることになります。
頬から取り出した細胞はおよそ1000個~数万個あるはずですので、
PCR反応後のDNA量はさらに莫大になります。

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サーマルサイクラーにかけてDNAの量を増やす

およそ4時間後、PCR反応が終わり、アガロース(寒天)ゲル電気泳動にかけます。

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電気泳動の様子

ゲルを脱染、脱染色し、完成です。

<結果の見方>
結果は個人により、つぎの3タイプのパターンが出ます。
今回注目したのは、PV92領域のイントロン配列と呼ばれる部分です。
ここに個人差があります。
具体的には〔Alu〕と呼ばれる特徴的配列がある人とない人がいます。

例を挙げますと、以下の3パターンになります。

Aさん(+  +):  ―〔Alu〕―
―〔Alu〕―
Bさん(- -):  ――  (Alu配列無し)
 ――  (Alu配列無し)
Cさん(+ -): ―〔Alu〕―
――  (Alu配列無し)
 
AさんはAlu配列があるためDNAが長く1000bp下付近に太いバンドが1本出ます。
BさんはAlu配列が無い為DNAが短く700~500bp付近に太いバンドが1本出ます。
Cさんは2本の染色体のうち①1つはAlu配列があり長いDNAであり、
②もう1つの染色体はAlu配列が無い為短いDNAであるため、
①1000bp下付近と②700~500bp付近とに、それぞれ1本ずつ細いバンドが出ます(合計2本)。

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<まとめ>
今回、バンドもおよそきれいに見ることができ、おおむね良好な結果が確認できました。
ホモザイゴスの(+ +)は多数、ヘテロザイゴス (+ -)が例年より多くみられました。
しかし、ホモザイゴスの(- -)はゼロとなりました。

PCRは、社会では一般的な手法であり、例えば遺伝子検査の際、
微量なDNAサンプルをPCRで増やし、解析に用いられています。
高校生物でも教科書としてはメジャーな内容ですが、実際授業で行う場合時間と手間を要します。

そこで高等科選択生物の授業では、出来る限り本物に多く触れてもらう機会を設けることで、
生命科学の入口を体験してもらっています。

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国際社会科学部の授業「海外研修(Study Abroad Ⅱ)」は、
海外研修に行った学生が成果や研修プログラムを振り返り評価することで、
その経験を今後の学修やキャリアに結び付けていく目的で行われています。

6月8日(木)の授業では、タクトピア株式会社の山本実由さんをゲストスピーカーとしてお招きし、
教育に対する考え方や情熱、現在の職務内容などについてお話しいただきました。

詳しい内容はこちらから↓
http://www.univ.gakushuin.ac.jp/news/2017/0616.html

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4月14日(金)、学習院中等科3年生物の授業で、
2年次に学んだヒトの心臓の仕組みや働きについての理解を深めるため、
心肺蘇生訓練用の人形を使った「心肺蘇生法」の実践学習が行われました。

先生から一通りの説明が行われた後、
生徒たちは実際に心臓マッサージの訓練を行いました。
心肺蘇生のポイントをしっかりと押さえられているかを確認するための
実技テストも行われ、真剣な表情で取り組んでいました。

保健体育の要素も含まれており、教科を越えた授業内容となりました。

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(写真)武道場で行われた心肺蘇生法の授業。真剣な表情で取り組む生徒たち

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日々の様子が随時紹介されていますので、
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3月27日(月)から31日(金)までの5日間、
国際社会科学部で新入生を対象とした特別授業が行われました。

この特別授業は4月からはじまる大学での学びに役立つ内容で構成されています。
31日に行われた「社会科学における数学」の授業では、
データを扱う社会科学の学習に欠かせない数学の知識を深めることを目的に、
四則演算の復習や代数の基本、社会科学における数式と関数の考え方などの
講義が行われました。

また、連立方程式の社会科学での応用例の説明や、
経済学に題材を借りた演習なども行われ、
メモを取りながら熱心に聞き入る新入生の姿が見られました。

入学前にも関わらず新入生の半数以上の参加があり、
意識の高さを感じられました。
社会科学の基礎となる数学を学ぶ良い機会となったようです。

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学習院大学国際社会科学部のホームページはこちらから
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1月28日(土)、学習院女子大学にて、
日本文化学科の品川明教授によるJMOOC講座(無料オンライン講座)
「味わい教育 ~感じるとおいしくなる魔法」の「反転学習」として、
講座の受講者を対象にワークショップが行われました。

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(写真)ワークショップの様子
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(写真)品川明教授

反転学習とは、先にeラーニングなどで学習した内容を、
実際の対面式授業でより深め、学習効果を高める試みです。

この講座で学習し、改めて意識した「食べること・味わうこと」について、
参加者全員によるワークショップで実際に体感しました。

まずは、「煮干しの解剖」を通して、
生き物として、また、食物としての両側面を探りました。

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(写真)煮干しの解剖の様子

煮干しは、生き物(カタクチイワシ)として、
生きるのに必要な骨格・筋肉・臓器を持っています。

その一方で食物としては、どの部位がどのような味わいをもたらしているのか
考察しました。

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(写真)品川先生による解説の様子

次に、解剖に使用した煮干しを使って
味噌汁を作る実習を行いました。

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(写真)味噌汁作りの様子
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(写真)試食の様子

班ごとに味噌を変え、味わいの違いを食べ比べました。
味噌だけでなく班ごとの作り方の違いにより、
それぞれ違った味わいになることを体験しました。

品川教授のユーモラスな語り口の中で、
参加者全員が意見を出し合い、協力して作業を行いながら、
アットホームな雰囲気の中ワークショップを終えることができました。

ワークショップ終了後には、参加した皆さんに、
品川先生から修了証書が手渡されました。

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(写真)修了証書授与の様子
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(写真)今回参加した受講生の皆さん

新鮮な発見・知的感動にあふれたワークショップは、
「大学の授業」というイメージからは異なるものだったかもしれませんが、
きっと参加者の皆さん一人一人の心の中に、
「食」についての思いを残すことができたのではないでしょうか。


学習院女子大学のホームページはこちらから
JMOOCについて詳しい情報はこちらから

11月14日から11月28日にかけて、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、身近な食材のタンパク質を電気泳動で調べる実験(SDS-PAGE)
を行いました。

タンパク質にはたくさんの種類があります。今回の実験では、
身近な食材中に含まれるタンパク質を電気泳動し、分析することで、
それぞれの生物種がどのようなタンパク質を持っているかを、
見比べます。

11月14日、
まず、食材を用意します。

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(写真)お刺身各種
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(写真)鶏もも、豚肉
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(写真)ほたて、えのき

これらの食材をマイクロチューブに入れ、
レムリーサンプル液でタンパク質を抽出します。

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(写真)実験に参加した学生たち
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(写真)レムリーサンプル液と食材の断片を混ぜ合わせる操作
レムリーサンプル液と食材を混ぜることで、液中にタンパク質を抽出しています。

次に、タンパク質を変性させるため、95℃の湯煎に入れます。

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(写真)95℃の湯煎に入れてタンパク質を変性させる操作

続いて、ポリアクリルアミドゲルに入れ、約30分間電気泳動します。

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(写真)電源装置と泳動槽を用いて電気泳動します。

11月28日、
こうして出来上がったゲルを染色し、解析しました。

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(写真)様々な食材の解析結果

ブタ、トリ、マグロ、マダイ、アマエビ、イカ、ホタテ、エノキを比較しました。
種が離れているものほど持っているタンパク質の種類も異なるため、
それに従ってバンドパターンが大きく変化する様子が観察できました。

肉や魚などの身近な食材を使った実験を通じて、
日常を科学的な視点から観察する面白さを体験することができました。
今回のポイントは、エノキを比べてみたことでした。

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9月21日から10月26日にかけて、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、「動物組織標本の作製と切片染色(HE染色・蛍光染色)」を行いました。

9月21日、
まずは、凍結ミクロトームを使って、マウス組織の超薄切片を作製します。

マイナス30度まで冷えるステージの上に組織サンプルを置き、凍結させます。
ミクロトームの刃がゆっくり動くと、厚さ10μmの超薄切片が切れていきます。
これを、スライドガラスに張り付けて完成です。

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(写真)凍結ミクロトームを操作する生徒たち

9月26日、
上記の超薄切片を、HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色しました。

ヘマトキシリン・エオジン染色とは、もともとは無色で透明な組織標本を、
核を青色に、細胞質をピンク色に染め分けることで鮮明にして、
観察し易くする方法です。

たくさん並べた四角い壺に、順番にスライドガラスを浸しながら、染色していきます。
およそ2時間の行程で、HE染色が完了しました。

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(写真)HE染色に使用した染色ビン
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(写真)HE染色後の、マウス組織の超薄切片

10月3日・5日、
HE染色した標本を顕微鏡観察しました。

心臓・肝臓・腎臓・脾臓・脳・骨格筋・小腸・胃・精巣の各部位ごとに
担当者を決めて、それぞれの切片を顕微鏡で観察し、スケッチをします。

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(写真)染色した標本をスケッチする生徒たち
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(写真)肝臓の肝小葉
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(写真)骨格筋の筋線維
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(写真)小脳の白質と灰白質

続いて、10月24日・26日、
蛍光染色(アクチン染色・チューブリン染色・核染色)を行い、観察をしました。

HE染色と同様、凍結ミクロトームで作製したマウスの超薄切片を使用し、
細胞骨格タンパク質であるアクチンやチューブリンと、核とをそれぞれ蛍光色素で染色した後に、
蛍光顕微鏡で観察します。

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(写真)部屋を暗くして、蛍光顕微鏡を覗く生徒たち
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(写真)肝臓の肝小葉 〔左から核染色・アクチン染色・合成〕
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(写真)骨格筋 〔左から核染色・アクチン染色・合成〕
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(写真)海馬(上)・小脳(中)・大脳(下) 〔左から核染色、チューブリン染色、合成〕 

今回の実験では、自分たちで作成した動物組織標本を染色し観察することによって、
動物組織について詳しく学ぶことが出来ました。

次回は、身近な食材からタンパク質を抽出し電気泳動(SDS-PAGE)を行います。
身近な食材がもつ様々なタンパク質を調べます。
※明日のブログでご紹介します。

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12月22日(水)、
大学国際社会科学部の
「海外研修(Study Abroad)Ⅱ」
(担当:入江 恵 教授 野崎 與志子 教授)を取材しました。

この授業は、海外研修に行った学生が、
成果や研修プログラムを振り返り評価することで、
その経験を今後の学習やキャリアに結び付けていく目的で行われており、
海外研修に行く前に行われる「海外研修Ⅰ」と結びついています。

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(写真)野崎教授

今年最後の授業では、
「(株)やまとごころ」代表の村山慶輔さんをお呼びしました。

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(写真)村山慶輔さん

村山さんは、アメリカの大学を卒業後、
インドで半年間のインターンシップ、コンサルティング会社勤務後、
インバウンドビジネスプラットフォーム「やまとごころ」を立ちあげました。

授業では、「留学経験とインバウンドビジネス」と題して、
村山さん自身の留学経験と今やられていることにどのような繋がりがあるのか、
また今後のキャリアパスや、大学生活の残り3年間をどう過ごすかの
参考となるようなお話をしていただきました。

インバウンドビジネスとは訪日外国人向けビジネスのことを言います。
訪日外国人に興味を持ってもらえるようなコンテンツを提供するために
外国人の方はどう日本をみているのか、
あるいは日本と外国人の感覚・認識をつなぐための視点や、
仕掛けるイベントについて、
実例を挙げながら説明をしていただきました。

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また、ご自身の留学に至る過程、留学中、
インドでのインターンシップや会社員時代のエピソードを通じて、
日本と世界を繋ぐビジネスという発想を具体化していったことを
お話いただきました。

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質疑応答では、
語学や留学、ビジネスについて多様な質問が出ました。

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質疑の中では、国際社会科学部の
「国際人という言葉もまもなく死語になる。その時あなたは。」という
キャッチフレーズに絡めて、
「英語が喋れるからといって、
あなたが他よりもすごいというわけではない。
英語が誰でも話せる時代が来るだろうし、
そうであれば自分の意見を持つこと、
自分の考えを発信することが大事。
自分の考えに根拠を持つ必要がある。」
とアドバイスしていただきました。

成長産業としてのインバウンドビジネスについて
熱をもってお話いただきました。

授業の後に学生に感想を聞きました。

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「村山さんの話を聞いて、もっと留学したいなと思いましたし、
日本のことを知って英語で話せるようになることが
国際化のスタートラインなのかなと思いました。」
「国際社会科学部、外国の方と話すことに壁を感じていましたが、
そういった壁が取り払われていっていると感じます。」

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「来年、協定留学でニュージーランドに
1年間留学することになっているのですが、
そこで、日本の文化を好きな人たちに、
自分から伝えることを実行したいなと思いました。」
「発音や文法など、間違っているのではないかということで
英語を話すこと自体が恥ずかしかったのですが、
この学部では、恥ずかしがって黙っていても、
みんなが自分の意見を聞いてきます。
たくさん場数を踏むことで、問われていることに対して
自分の意見を考えて話せるようになってきています。」

国際社会科学部では日々、
新しい手法で刺激的な授業を行っています。

※「やまとごころ」ホームページはこちら
※国際社会科学部ホームページはこちら

7月8日、7月9日の2日間にわたり、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
今回は、「pGLOバクテリア遺伝子組換え実験」を行いました。

紫外線で緑色蛍光に光ることで知られているオワンクラゲは、
GFP (Green Fluorescent Protein = 緑色蛍光タンパク質 )を
つくり出すことによって緑色蛍光の性質を持っています。
今回の実験では、この GFP を組み込んだプラスミドDNAを
大腸菌に組み込みます。
本来、大腸菌のコロニーは白色ですが、
遺伝子導入することでその性質を変え、
オワンクラゲと同様に緑色蛍光に光る性質に変化します。

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(図1)今回大腸菌に組み込むプラスミド DNA

今回の実験には、高等科の3年生18名が参加。
学習のテーマは、遺伝子組換え技術の理解と、
遺伝子発現の制御について学ぶことです。
担当の鍋山教諭より、
実験の流れと注意点についての説明を受けてから、実験スタートです。

<1日目 遺伝子組換え操作>

1日目は、プラスミドDNAを大腸菌に導入する
遺伝子組換え操作を行いました。
大腸菌とプラスミドDNAを混合し、
4℃→42℃(50秒)→4℃
というヒートショック(温度の急激な変化)
を与えることで、大腸菌の内部にDNAが入り込みます。
42℃はたった50秒だけ温めるのですが、
成功するか否かはヒートショック時間の正確さにかかっています。
生徒達もタイマーを構えて緊張の面持ちで行いました。

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(写真)実験に参加した生徒たち

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(写真)プラスミドDNAを混合する操作

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(写真)ヒートショックを与える操作

次に、ヒートショック後の大腸菌を、4種類のプレートに広げます。
+DNA(プラスミドDNAを加えた大腸菌)を、
LB/amp、LB/amp/ara プレートにまきます。
下の図の①、②です。

-DNA(プラスミドDNAを加えていない大腸菌)を、
LB/amp、LB プレートにまきます。
下の図の③、④です。

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(図2)今回の実験で使用する4種類のプレート

4種類のプレート中の①、②に注目します。
(③はネガティブコントロール、④はポジティブコントロールです。)
② で大腸菌の白色コロニーが生えてくれば遺伝子導入が成功したことになり、
②はUVランプで緑色蛍光に光れば、遺伝子組換えの成功と、
大腸菌内で GFP (緑色蛍光タンパク質)がつくられ、
実験が成功したことになります。

結果を楽しみに、翌日まで大腸菌を37℃の
インキュベーターで培養します。
一晩培養することによって大腸菌が増殖し、
翌日コロニーと呼ばれる状態で観察することができるようになります。
さあ、どうなるでしょうか。

4枚中1枚だけ緑色蛍光に光っていれば実験成功です!

<2日目 結果観察>

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(写真)UVランプを照射しながら、結果観察をする生徒たち

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(写真)+DNA LB/amp/ara (②) と +DNA LB/amp/ (①) の比較

上の写真は、+DNA LB/amp/ara (②) と +DNA LB/amp/ (①) の比較です。
①は遺伝子導入は成功していますが、
GFP をつくる遺伝子は OFF になっているため緑色蛍光に光りません。
一方②は遺伝子導入が成功しており、
かつGFPをつくる遺伝子が ON になっているので、緑色蛍光に光ります。

実験は成功で、きれいな緑色蛍光のコロニーを観察することができました!

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(写真)緑色蛍光のコロニー

生徒のみなさんにとっては、
自分の手を動かしながら科学のおもしろさに触れ、
日ごろの学習内容を再確認する貴重な体験となりました。

高等科3年の選択生物では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
次回は、動物組織の超薄切片を作製し、染色していく実験を行う予定です。

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平成28年6月、学習院中・高等科にて、
アカデミック・ライティング/プレゼンテーション/ディスカッション
の方法を英語で学ぶ、特別授業が行われました!

中・高等科では、英語圏での授業を体験することを目的として、
毎年この時期に英語でアカデミック・スキルを学ぶ特別授業を行っています。

英語でエッセイを書いたり、口頭発表を行ったりしながら、
英米の文化や時事問題についても学ぶハイレベルな授業を受けることができる
貴重な機会となっています。

今回授業を担当したのは、学習院大学国際社会科学部のマクレガー・ローラ先生。
国際社会科学部ではAcademic Skills、Presentation等の授業を担当されています。

全3回のうち、6月17日に行われたアカデミック・ライティング
(英語での小論文の書き方)の授業の様子をお届けします。

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(写真)マクレガー・ローラ先生

今回の参加者は、高等科1年生13名、中等科3年生 2名の計15名。
まずはウォーミングアップとして、英語でお互いに自己紹介をします。

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(写真)英語で行われる授業に緊張気味の生徒のみなさん

つづいて、英語での小論文の書き方についての講義が行われました。
マクレガー先生は、小論文は

①導入部(Introdution)・②本文(Body)・③結論(Conclusion)

の3つの部分から構成されており、このルールを理解して
小論文が書けるようになれば、どんなに長い文章でも書けるようになる!
と強調されていました。

今回は、Q&A形式の小論文を書くために、まずトピックを選びます。
生徒のみなさんは、

1. Are people less polite than in the past?
(人びとは昔よりもマナーが悪くなっているか?)
2. Should school uniforms be abolished?
(学校の制服は廃止されるべきか?)

の2つのトピックから1つを選択し、先生の助けを借りながら、
自分の答えとその理由を考えていきます。

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(写真)先生も混じってブレーンストーミング

考えがまとまったら、前述のルールを意識しながら、
実際に小論文を書いていきます。先生にアドバイスを受けたり、
隣の生徒と意見交換したりしながら、徐々に完成させていきます。

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(写真)ひとりひとり熱心に指導するマクレガー先生

導入部・本文・結論が書けたら、最後にタイトルを付けて完成です!
タイトルは、シンプルかつ内容をよく表したものでなければなりません。

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(写真)先生のアドバイスを受ける生徒のみなさん

学習院大学国際社会科学部1年生レベルの内容ながら、
日ごろの英語学習の成果を発揮し、
全員が小論文を完成させることができました。

英語を実際に使いながら、
論理的な文章を書くトレーニングを積むことができ、
生徒のみなさんにとって非常に有意義な時間となりました。

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6月1日、6月8日の2日間にわたり、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、「PCR実験(ポリメラーゼ連鎖反応)」を行いました。

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(写真)高等科の生物実験室にて

この実験では、頬の口腔上皮細胞からDNAを抽出し、
DNAポリメラーゼ(合成酵素)を用いてDNAの複製を行います。

DNAは本来、量がとても少ないため肉眼で見ることはできませんが、
PCR反応にかけることで膨大な量に複製することができます。
膨大に増やしたDNAを観察してPCR反応の原理を学びます。

■1日目■
実験は、空気中の小さな埃などが入らないよう、
マスクと手袋を着用して行いました。

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(写真)口腔上皮細胞から抽出したDNAにキレート剤を加える

キレート剤を加えることで、DNAの分解を防ぎます。

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(写真)キレート剤を加えたDNAサンプルをボルテックスミキサーで懸濁する 

その後加熱し、DNA分解酵素のはたらきを止め、
細胞を破砕してDNAを抽出します。

そして約3時間、温度変化を伴いながらDNAを複製させる「サーマルサイクラー」
という装置にかけて、95℃→60℃→72という温度変化サイクルを40サイクル行います。
これによりDNAを2の40乗という膨大な量に増やしていきます。

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(写真)サーマルサイクラー

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(写真)サーマルサイクラーに、サンプルをセットする

■2日目■
PCR反応を終えた生徒たちのサンプルを
アガロースゲル(寒天)電気泳動にかけ、透明なゲルを視覚化しやすいように染色します。

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(写真)電気泳動装置のアガロースゲル(寒天)に、増やしたDNAを注入する

電気泳動後、実験の結果を観察しました。

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(写真)流水でゆっくりとゲル染色液を洗い落とし、結果を観察する

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(写真)アガロースゲル電気泳動の結果[1日目]

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(写真)アガロースゲル電気泳動の結果[2日日]

今回、第16番染色体にある、PV92と呼ばれる領域の
「Alu配列」という、特徴的な配列の有無について調べました。
Alu配列は、霊長類に特異的な反復配列で、
ヒトゲノム(人間の遺伝子情報)の約10%を占めます。

個人によって、Alu配列を2つ持つ人「++」(ホモザイゴス)、
Alu配列を1つだけ持つ人「+-」(ヘテロザイゴス)、
Alu配列を持たない人「--」に分けられます。

実験の結果、
[月曜日]
14人中8人が「++」、2人が「+-」
[水曜日]
6名中4名が「++」、1名が「+-」、1名が「--」であることがわかりました。

このAlu配列の本機能や生物学的な意義は明らかになっていませんが、
ゲノム解析技術の進歩に伴い、その解明が日々進められています。

高等科の選択生物では、このように最先端の研究に触れながら、
より高いレベルでの学びを深めています。

次回は、「pLGOバクテリア遺伝子組換実験」の授業風景をお届けします。

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7月1日(金)、
大学国際社会科学部の「国際開発論」(担当:山﨑泉准教授)取材しました。

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(写真)授業の様子

この授業では、開発途上国の様々な課題や国際協力について
学ぶことができます。

今回は「開発途上国で働く~民間、公的セクターの立場から」を
テーマにした特別講義で、世界を相手に活躍する2人のゲストをお招きし、
講演を行っていただきました。

一人目はJICA研究所研究員の山田英嗣さんです。

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(写真)山田英嗣氏

中学校時代に海外の家庭にホームステイした経験から、
異文化理解に興味を持ったという山田さん。
国際社会の中での活躍を希望する学生に向けて、
JICAの概要や在外事務所での業務経験について説明していただきました。

二人目はエシカルジュエリーブランドHASUNA代表の白木夏子さん。
宝石がジュエリーとして製作されるまでに、
たくさんの中間業者やマーケットが入る宝飾業界にあって、
「自らの足で、素材を現地まで探しに行く」スタイルで店舗を展開。
他にも複数の事業を展開する起業家でもあります。

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(写真)白木夏子氏

学生時代に国連機関でインターンをしていたときに、
「援助だけではいけない、世の中を動かすにはビジネスとお金が大事」と考え、
投資ファンドを経て27歳で起業。
品質の良い素材を得るルートをどのように開拓し、
どのように事業を拡大してきたのか、詳しく語っていただきました。

その後、山﨑先生がファシリテーターとなり、
山田さん、白木さんとのパネルディスカッションが行われました。

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(写真)パネルディスカッションを行う両氏。左は山﨑先生

海外支援や国際的に働くことの魅力をたずねた山﨑先生に対し、
山田さんは、「公的機関が行う大きな仕事に関わることができること。
発展途上国は大きな変化(インフラなどが良くなる余地)があるという
期待感が大きく、開拓していく楽しさがある。」とお話ししてくれました。

白木さんは優雅なたたずまいに、情熱を感じさせる話し方で、
「ビジネスでは、一過性ではなく現地とつながり続けることができる。
地球規模でのビジネスの、地球上でつながっている感じが大きな魅力」
と伝えてくれました。

授業の最後には、学生との質疑応答の時間が設けられました。

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(写真)質疑応答の様子

授業終了時間ぎりぎりまで質問が出続け、
講師の山田さん、白木さんは、
そのひとつひとつに丁寧に答えていました。
また、授業終了後も多くの学生がお二人に直接、
熱心に質問する様子が見られました。

学生にとってまたとない貴重なお話を聞くことができ、
国際社会で働くということの意識を高める機会となりました。

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6月2日(木)、
文学部教育学科の授業「生活科概説A」と目白小学校2年生の生活科の授業が
合同で行われました。

「町探検」という単元の学習で、教育学科の学生が先生役となり、
目白キャンパスの中を児童の皆さんと一緒に散策します。

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(写真)目白小学校2年生の皆さんを迎えて

グループに分かれて大学図書館や学生食堂、
血洗いの池などをまわりました。

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(写真)大学図書館前

児童の皆さんは、学生の説明や気づいたこと、感じたことなどを、
調査シートにこまかく記入していました。

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(写真)学生の説明を聞いて、メモを取る

探検中に小学生がはぐれたり、けがをしたりしないよう、
学生たちは気を配りながら、ゆっくりしたペースで進んでいきました。

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(写真)探検の様子

目白小学校の児童の皆さんは、
自然がいっぱいの広いキャンパスや、初めて見る大学のさまざまな施設に驚き、
学生たちにいろいろと質問を投げかけていました。

また、将来、教員を志す教育学科の学生にとっては、
児童の皆さんと一緒にキャンパス内を歩くことで、
先生という仕事の楽しさや難しさ、大変さを知る、貴重な体験となりました。

学習院大学文学部教育学科は2013年の開設以来、
こうした地域社会と連携した取り組みを行っています。


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5月28日(土)、
学習院中等科3年物理の授業を取材しました。
この日は配線モールを使ったジェットコースター作りが行われました。

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(写真)授業の様子

電器製品のケーブルを壁や床などに設置する時に使う「配線モール」は、
1本当たり1メートルほどの長さで、
やわらかいプラスチック素材でできています。

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(写真)配線モールでジェットコースターを作る

この配線モールをつないでループのコースを作り、
鉄球を転がして何回転できるかに挑戦します。

どうすれば鉄球の動くエネルギーを維持しながら前に進められるか、
生徒の皆さんは事前に教室での授業で理論を学んでいましたが、
この取り組みはその実践編です。

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(写真)ループをつなげる

生徒の皆さんは4~5名のグループに分かれて取り組みました。

この日は授業参観日で、
父母の皆さんも生徒と一緒に考えたり作ったり、
積極的に授業に参加していました。

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(写真)父母の皆さんも一緒に取り組む

助走レーンの高さや長さ、角度、作るループの大きさなどで、
鉄球の走る速さが変わってきます。

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(写真)鉄球の勢いが強すぎてコースをはずれる

勢いが強くなりすぎて飛び出してしまったり、
あるいは途中で止まったりするので、
そのたびにコースの微調整を繰り返します。

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(写真)グループ内で協力してコースを調整

この調整を何度か繰り返すうちに、
だんだん鉄球の走る距離が長くなり、ループを回る数が増えてきました。

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(写真)ループを回る鉄球

授業の終わりには大半のグループが3~4回転をクリアしていました。
いちばん多く回ったグループは10回転を達成し、
成功した瞬間は大きな歓声があがりました。

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中3物理では、「運動とエネルギー」という単元で、
『引き上げられた物体が重力によって落下や斜面を下るとき、
 高いところに引き上げられた物体のもつエネルギーと、
 運動する物体のもつエネルギーの和は一定である』という、
力学的エネルギー保存の法則を学びます。

生徒の皆さんは今回の実践編で、
この法則を体感しました。

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2月23日(水)、学習院高等科で
2年生の総合生命科学入門(担当:鍋山航教諭)の授業を取材しました。

この授業では、生命科学に関する最新のトピックスを映像資料を用いて解説し、
生物分野の興味を深めていきます。

この日は3学期最後の授業ということで、
特別に電子顕微鏡の製造会社の方にお越しいただき、
走査型電子顕微鏡をお借りして、マウスの腎臓と精巣の観察を行いました。

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(写真)授業の様子

生徒たちはメーカーの方に使い方を教わりながら、
分子レベルの世界に近づく体験をしました。

また、光学顕微鏡と蛍光顕微鏡による観察も行い、
それぞれの見え方の比較をしながら、スケッチをしました。

〔観察の内容〕
①光学顕微鏡による観察:
いわゆる普通の観察です。薄くスライスした標本を平面的に観察します。
 (高等科選択生物「マウス組織標本の作製」と同サンプルを使用)

②蛍光顕微鏡による観察:
特殊な蛍光色素で、薄くスライスした標本を観察します。
蛍光色素で特定のタンパク質だけが暗闇に浮かび上がるようにして見えます。
今回は一般的なアクチンタンパク質を染色し見えるようにしています。
 (高等科選択生物「マウス組織標本の作製」と同サンプルを使用)

③走査型電子顕微鏡による観察:
今回の目玉です。生物試料をステージにセットすると立体的な画像が浮かび上がります。質感がリアルに見ることが出来ます。

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(写真)走査型電子顕微鏡の使い方を教わり、マウスのサンプルを観察する

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(写真)光学顕微鏡で観察する様子

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(写真)蛍光顕微鏡を使っての観察

蛍光顕微鏡は、サンプルを蛍光色に光らせるため、部屋を暗くして行いました。

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(写真)細かいところまで観察しスケッチする

〔観察結果〕
◆マウスの肝臓

①光学顕微鏡による観察
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倍率400倍 HE染色 
写真は血液のろ過と再吸収を行う最小単位です。
a糸球体 bボーマンのう abマルピーギ小体

②蛍光顕微鏡による観察
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倍率400倍 蛍光染色
a糸球体 bボーマンのう abでマルピーギ小体

③走査型電子顕微鏡による観察
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倍率9000倍 生徒撮影の作品 
腎臓の糸球体の拡大写真 
糸球体を取り囲むように、たこ足細胞がはっきり見えます。

◆マウスの精巣

①光学顕微鏡による観察
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倍率400倍 HE染色
精細管の内部 
矢印は精子の鞭毛と頭部。
精細管の中心部に鞭毛を集中するようにして整然と並んでいます。

②蛍光顕微鏡による観察
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倍率100倍 蛍光染色
精細管が無数に観察されました。

③走査型電子顕微鏡による観察
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精巣の精細管断面 倍率1000倍 生徒撮影の作品 
中央に精子の頭部と鞭毛が無数に観察。

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精巣の精細管断面 倍率1700倍 生徒撮影の作品 
中央に精子の頭部と鞭毛を観察できました。

生徒たちは、
「はじめて電子顕微鏡を使ったが、すごくリアルに見えた」
「細かいところまで観察できるので、スケッチにも時間がかかった」
と話していました。

最後に、走査型電子顕微鏡でそれぞれが観察した部分の画像をプリントアウトし、
記念に持ち帰りました。

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(写真)走査型電子顕微鏡で観察した写真

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2月15日(月)から19日(金)までの5日間、
学習院女子高等科では、3年生を対象に「自由講座」を開講しました。

この講座は、通常の授業とは異なる内容で、
教員がそれぞれの専門分野や特技を生かして行う講座に、
生徒が自由に参加できるという企画です。
今年度は34講座が開講されました。

その中から、17日と18日に行われた自由講座の様子を一部ご紹介します。

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(写真)「アラビア語入門」〔担当:加茂亜紀子教諭〕
通常、高校レベルではなかなか履修することのない「アラビア語」は、
抽象的で区別の難しい文字の形が大きな特徴です。
生徒の皆さんは基礎的な読み方、書き方を学んだり、
先生がアラビア文字で書いた受講生の名前を見て、誰の名前かを考えたりしました。

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(写真)「発展保育」〔担当:中村純子講師〕
選択授業で保育を履修している生徒たちが、
新宿区内の保育園・こども園で体験学習を行います。
この日はそのための事前準備で、生徒自身で保育園に電話をかけたり、
体験学習で自分たちが身につける名札を、
保育園の子どもたちにわかりやすいようにと工夫しながら制作したりしました。

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(写真)「数学を楽しむ/自然の中の数理」〔担当:茶圓幸子講師〕
数学はただ難しいだけではなく、
実社会でもさまざまな技術に活用されていることを知ってもらいたい、
また、幾何学の美しさを伝えたいと企画されたこの講座では、
宇宙構造物の設計に使用されている「ミウラ折り」などについて学びました。

この講座に参加した生徒たちは、
「いつもとは違った視点で数学を考えることができた」
「『ミウラ折り』を実際に折り紙で折ってみて、とても綺麗だと思いました」
と話していました。

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(写真)「英語で歌おうLet's Sing in English」〔担当:古山愛子教諭〕
"Amazing Grace"や英国の愛国歌"I vow to thee, my country"、
マドンナの"Hung Up"、映画『アナと雪の女王』の"Let it go"など、
幅広いジャンルの約10曲を英語で歌いました。
最後はABBAの"Dancing Queen"を歌い、教員も生徒も大いに盛り上がりました。

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(写真)「体育演習?ドッジボール」〔担当:加藤武光教諭〕
全講座の中で最も人気のあった講座で、29名の生徒が参加しました。
ボールを2つ使った難易度の高い熱戦が繰り広げられました。

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(写真)「学習院アーカイブズ見学」〔担当:石川和外教諭〕
目白キャンパスにある学習院アーカイブズを訪問し、
学習院の歴史について、学習院アーカイブズで保存している
さまざまな資料を実際に見ながら学びました。

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(写真)「法学入門」〔担当:山下純司学習院大学法学部教授、湯川恭子教諭〕
学習院大学の山下教授による、民法についての講座が行われました。
前半では民法の概要説明といくつかの事例が紹介され、
後半では実際にあった訴訟について、
生徒が原告側と被告側にわかれ、それぞれの立場から意見を出し合い、
どのように結論を出すのかを考えました。

この講座に参加した生徒からは、
「実践的で役に立つ内容だった」
「大学でどんな勉強をするのか、イメージがわくような授業だった」
などの感想が聞かれました。

卒業を間近に控えた3年生にとって、
女子高等科で先生から教えを受けられる機会はあとわずかです。

どの講座でも、教員と生徒が一緒になって楽しみながら、
熱心に取り組む様子が見られました。

※高3自由講座の様子は、
 こちらの学習院女子中・高等科ホームページ「新着情報」
からもご覧いただけます。

※学習院女子中・高等科ホームページはこちらから

1月29日(金)、
学習院中等科・高等科の標本保管室で行われた
中等科1年の生物の授業(担当:田中一樹教諭)を取材しました。

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(写真)標本保管室

この標本保管室では、
骨格標本やはく製などの「生物標本」と、化石や鉱物などの「地学標本」
合わせて7,000点以上を所蔵しています。
学習院中等科では毎年、1年生の生物の授業でこの標本保管室を活用し、
鳥の本はく製をスケッチする実習を行っています。

前回の授業で、
猛鳥類・渉鳥類・走鳥類・游鳥類・キツツキ類など、鳥の種類を学び、
今回は実際に、はく製を観察・スケッチをすることで、その学びを深めます。
鳥類は学術的な分類が難しいので、生活相をもとにした分類で授業をしています。

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(写真)対象となる鳥のはく製をスケッチする

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(写真)頭・くちばし・足の形に注目して描いていく

生徒たちは、6種類の鳥のはく製を観察し、
それぞれの特徴を捉えて、手際よくスケッチしていました。
気がついた点は、絵の横にメモをとります。

所狭しと並べられているはく製の迫力に、
思わずたじろぐ生徒もいましたが、
「フクロウが大好きなので、じっくり観察できてうれしい!」
「細かいところまで見ることができました」
と、満足気な生徒もいました。

学習院中等科のホームページはこちらから

1月20日(水)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、身近な生き物のタンパク質を分析する
「タンパク質電気泳動実験」を行いました。

生き物の体は、タンパク質で出来ています。
多くの生き物は、種を超えて共通したタンパク質を持っていますが、
一方で、種によって異なるタンパク質も持っている場合もあります。

この実験では、お刺身やお肉などの身近な食材をいくつか用意し、
①タンパク質を抽出し、
②電気泳動で分析することで、
種間に「共通している」タンパク質と「異なる」タンパク質を見比べます。

今回用いた食材は、
マグロ、カンパチ、タラ、サーモン、鶏もも、ブタ、エビ、イカの8種類です。

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生物種が、近い・遠いを表す図として「系統樹」が一般的に用いられます。
系統樹とは、生物の分類を樹枝状の線で繋ぎ、一本の木のように示したものです。

タンパク質の電気泳動を行うと、
「バンド」と呼ばれるタンパク質の特徴的な模様が現れるのですが、
果たして系統樹との相関性は見られるのでしょうか?
今回は、以下の点に注目して実験を進めます。

◆系統樹で近種の生き物同士 ⇒ 電気泳動のバンドパターンは類似する。
◆系統樹で遠種の生き物同士 ⇒ 電気泳動のバンドパターンは異なる。

【実験手順】
鮮度の良いお刺身やお肉を準備し、これらを0.25cm角に切り取ります。
そして、タンパク質を食材から溶かし出す性質の「サンプルバッファー」
という青色の液体の中に入れます。

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(写真)お刺身を切り取る
 
続いて、およそ1分間、
サンプルバッファー中で食材を懸濁(※1)し、タンパク質を抽出させます。

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この上清を95℃でボイルし、タンパク質を変性(※2)させます。

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さらに、「ポリアクリルアミドゲル」という特殊なゲル中にサンプルを入れ、
200Vで30分間電気泳動(※3)しました。

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(写真)サンプルを抽出し、ゲルにサンプルを移す様子

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(写真)電気泳動装置(泳動中)

30分後、電気泳動をストップさせ、ゲルを染色します。
こうして、以下のようなゲルが出来上がりました。

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(図)美しい青いバンド模様が現れたゲル

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[解説]
※1 懸濁
サンプルバッファーにサンプルを加え、かき混ぜること。
この作業で、可用性のタンパク質がサンプルバッファー中に溶け出します。

※2 タンパク質の変性
タンパク質は、20種のアミノ酸が直鎖上につながった「ひも状」の分子です。
タンパク質は、生体内では通常「ひも状」の分子が「立体」的に折りたたまれて存在しています。
お刺身などは「生」の状態のためタンパク質の構造は「立体」ですが、
熱処理すると立体構造が壊れ、アミノ酸でできた一本の鎖になります。
ボイルすることで生の状態の「立体」構造から、「変性」した「ひも状」に変化させます。
こうして、電気泳動に用います。

※3 電気泳動のしくみ
タンパク質はアミノ酸でできたひも状の分子です。
タンパク質の種類によって固有の長さがあり、
「長い分子」、「中くらいの分子」、「短い分子」など様々です。
それらに電荷をかけ、ゲルの中で「よ~いドン!」させると、
「短い分子」ほどゲル中を早くすり抜けられるので、ゲルの先頭まで移動することができますが、
「中くらいの分子」は真ん中までしか移動できず、さらに、「長い分子」は移動することが大変なため、
スタートした地点からほんの僅かしか移動できません。
この移動度の違いが、バンド模様として現れます。
一本一本のバンドが、タンパク質の種類一つ一つになるのです。
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生徒たちがこのゲルを分析した結果、
「マグロ」と「サーモン」と「カンパチ」のバンドパターンが似ていること、
それらに対して「エビ」と「イカ」が大きく異なることがわかりました。
分類上、魚類に対して甲殻類、頭足類ですから、これらはお互いに遠い種になるわけです。

また、意外な結果として、
鳥類と哺乳類である「鶏もも」「ブタ」と、
「マグロ」「サーモン」「カンパチ」の魚類のバンドパターンが類似していることが判明しました。

鍋山先生によると、
「鳥類や哺乳類と魚類のバンドパターンが近いことは、
これらの生物種にとって大切なタンパク質が、種を超えて保存されているのかもしれない」とのことです。

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(図)系統樹

実際の系統樹に今回の結果を当てはめてみると、およそ合致しました。
脊椎動物は、かなり似通ったバンドパターンになりました。

今回の授業では、出席した生徒から
「電気泳動は専門的な実験で、普段の授業ではなかなかできないので、
貴重な経験をしていると思います!」
との感想がありました。

~鍋山先生からのメッセージ~
1年間を通して、生物をとことん突き詰めて勉強してきた「選択生物②」の生徒達。
今回の授業のレポートを提出して終了となりました。
3年生のみなさんのこれからの活躍を期待しています!


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使用したお刺身は、実験後にみんなで美味しくいただきました。

6月「PCR実験」の様子はこちらから
7月「pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」の様子はこちらから
9月「GFP精製クロマトグラフィー実験」の様子はこちらから
10月「マウス組織標本の作製」の様子はこちらから
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1月19日(火)、
中等科1年の物理の授業(担当:田中一樹教諭)を取材しました。

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(写真)中等科・生物実験室

今回の授業では、浮沈子の作成・観察を行い、
「圧力」と「浮力」の関係について学びます。

浮沈子は、水が入った容器を押したり離したりすることで、
浮いたり沈んだりする玩具のことです。

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(写真)浮沈子が入ったペットボトル

はじめに、作り方について先生から説明を受けました。

【作り方】
①中に入れる浮沈子に少量の水を入れる
②浮沈子をペットボトルの中に入れ、空気が入らないように水で満たし、ペットボトルのふたを締める

作成は、班ごとに分かれて行いました。

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(写真)浮沈子を作成する様子

作成できた班から、早速、ペットボトルを指で押し、
中の浮沈子の様子を見ていきます。

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(写真)観察する様子

指でペットボトルを押すと、中の浮沈子は下に沈み、
離すと、元の位置に戻る様子が観察されました。

このことから、
◆閉じこめられた水の一部に圧力を加えると、
 中の浮沈子は、まわりから同じ大きさで圧力がかけられる。
◆浮沈子は、圧力により押し縮められ、浮力が小さくなるため、下に沈む。
ということがわかりました。

生徒たちは、夢中になって観察に取り組み、
「すごく楽しかった!」
「なかなか沈まなくて、作るのが意外と難しかった。」
と話していました。

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1月12日(火)、
中等科1年・物理の授業(担当:田中一樹教諭)で、凧揚げの試験が行われました。

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(写真)中・高等科第2グラウンド

凧は、冬休みの宿題として、
生徒たちが2~4時間かけて作り上げました。

グラウンドのフェンスの高さが合否のボーダーラインです。
凧にはそれぞれの出席番号が書かれているので、
高く揚がった凧は先生が番号を読み上げ、合格となります。

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(写真)苦戦しながら凧を揚げる

「風力」「風圧」「揚力」「抗力」など、
凧を高く揚げるためのメカニズムは物理の分野です。
頭に入っていれば、揚がるはず・・・ですが、
なかなか難しいようです。

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寒空のもと、生徒たちは
冬休みの運動不足を発散させるかのように
元気いっぱいに取り組んでいました。

授業後は、
「凧を作るのは、意外と簡単だった。」
「凧揚げ楽しい!」
「止まって揚げ続けるのが難しい。」
と、声を弾ませて話していました。

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12月1日(火)、
中等科1年物理(担当:田中一樹教諭)の授業を取材しました。
この日のテーマは「ブーメランの製作」です。

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(写真)授業の様子

「ブーメラン」は、
投げたら楕円の軌道を描いて手元に戻ってくるという道具です。

「なぜ飛ぶのか」
「なぜ落ちてこないのか」
「なぜ戻ってくることができるのか」
考えれば考えるほど不思議な動きをするブーメラン。

実際に製作し、実技テストを行う過程で、
その理論を頭と体で学びます。

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(写真)黒板に書かれた図面と説明

ブーメランに回転をかけながら投げると、翼に揚力が働きます。
それぞれの翼で揚力の強さが異なるために歳差運動(※)が生じ、
戻ってくることができるという理論です。

※歳差(首振り)運動・・・
自転している物体の回転軸が、円を描くように振れる現象。

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(写真)真剣に取り組む中等科生

授業では、厚紙の方眼紙で十字型のブーメランを製作します。
黒板に書かれた図面を参考に短冊型を2枚切り抜きます。

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(写真)出来上がったブーメラン

十字になるよう中央をホッチキスで止めます。
また、厚紙では飛行には軽すぎるので、
翼の両端にも間隔を詰めてホッチキスを打ち、重みをつけます。
また、翼に折り目をつけた部分は、フラップ(※)の役割を果たします。

※フラップ・・・飛行機の高揚力装置。

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(写真)実技テストの様子①

全員のブーメランが出来上がり、何回か練習した後、
実技テストが行われました。

評価のポイントは、
①ブーメランの軌道を描いて戻ってくること。
②投げた後、一歩も動かずにキャッチできること。

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(写真)実技テストの様子②

生徒の皆さんは、
投げ方や投げる向き、高さなどを試行錯誤しながらチャレンジ!

フラップを折る角度のほんのちょっとの違いや、
重りのホッチキスを打った数の増減でも飛行に影響が出るので、
1回で合格するのはなかなか難しいようでした。

ブーメランの不思議な動きを体験する中で生まれたさまざまな疑問を、
ひとつひとつ解決していくことで、物理の本質的な理解に一歩近づきます。


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10月28日、11月4日、11月18日の3日間、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、マウスの組織標本作製の授業を行いました。

マウスの脳、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、骨格筋、精巣を
ホルマリンに漬けて防腐処理し、
その後、凍結ミクロトームで厚さ10μmの超薄切片にします。

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(写真)マウスの部位を超薄切片にする

今回は、凍結ミクロトームで切片にしたものを
二つの方法で染色しました。

一つは、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色です。
ヘマトキシリンで核を青色に、エオジンで細胞質をピンク色に染めます。
これによって、透明な組織標本ができあがります。

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(写真)エオジン染色でピンク色に染める

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(写真)完成した標本

その後、この標本を光学顕微鏡で観察し、スケッチをしました。

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(写真)真剣に観察、スケッチする様子

もう一つは、蛍光染色です。
蛍光ファロイジンという物質を用いて、
アクチンタンパクを特異的に染色し、観察します。
アクチンタンパクは、どの細胞にも必ず含まれているタンパク質のことです。

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(写真)蛍光ファロイジンを使用して、蛍光色に染める

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(写真)完成した標本

蛍光染色したものは、
光を遮断し、蛍光顕微鏡を使って観察しました。

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(写真)暗い部屋の中で、組織標本を観察する

実際に観察した、マウスの組織標本をご紹介します。

<小脳>
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(写真)HE染色した小脳

小脳のしわが良く見えますね。

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(写真)蛍光染色した小脳

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(写真)小脳のしわを拡大

a...分子層、b...顆粒層、c...白質
矢印は、「プルキンエ細胞」という主要な神経細胞。

<大脳>
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(写真)HE染色した大脳 海馬

記憶の中枢・海馬の部分。矢印は、神経繊維。
たくさんの神経繊維が複雑なネットワークになっています。

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(写真)HE染色した大脳 海馬 拡大図

よく観察すると、神経繊維に節が見られます。
有髄神経繊維であることが分かります。

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(写真)蛍光染色した大脳 海馬

矢印は、神経細胞の軸索(長い突起部分のこと)。

<肝臓>
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(写真)HE染色した肝細胞

矢印のように、2核の細胞が見られます。
このことは、肝臓の再生力の高さと関連するのかもしれません。

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(写真)蛍光染色した肝小葉

中心静脈から放射状に延びた組織が観察されます。

<腎臓>
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(写真)HE染色した腎臓

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(写真)蛍光染色をした腎臓

a...糸球体、b...ボーマンのう、a+bでマルピーギ小体(腎小体)
糸球体とボーマンのうによって、腎臓では血液のろ過が行われます。

<脾臓>
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(写真)HE染色した脾臓

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(写真)蛍光染色した脾臓

a...白脾臓、b...赤脾臓
aの白脾臓が島状に点在していることがわかります。
bの赤脾臓には赤血球がたくさん集まっているのが分かります。
脾臓は、古い血球の破壊をする場所です。

<骨格筋>
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(写真)HE染色した骨格筋・筋繊維

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(写真)蛍光染色した骨格筋・筋繊維 

大腿四頭筋を観察しています。
矢印のように、横紋(縞模様)が無数に見られます。
Ncは核を示しています。
高等科生は筋トレがみんな大好きです。そのため、骨格筋の観察は人気がありました。

<心筋>
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(写真)HE染色をした心筋

矢印は横紋です。中央の◆印は筋繊維につながっている神経繊維です。
よく見ると、この神経繊維には節があることが分かります。
これは、有髄神経繊維である証拠です。

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(写真)蛍光染色した心筋

心筋は、構造状は横紋筋ですが、多核の骨格筋とは異なり単核の細胞です。
よく見ると、横紋(細かい矢印)が観察できます。
骨格筋よりも絡み合った構造をしていますね。

<精巣>
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(写真)HE染色した精細菅内部

矢印は精子の鞭毛と精子の頭部です。
精細管の中心部に鞭毛を集中するようにして、整然と並んでいます。

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(写真)蛍光染色した精細管

精子形成を行う精細管が無数に観察されました。
蛍光染色はとてもきれいに染色できました。

観察を終えて、生徒の皆さんに感想を伺いました。
「腎臓の構造が興味深く、とても印象的だった!」
「観察は難しい。たまに勘違いして、対象と違うものを観察してしまうことがあるので、もっと勉強を重ねていきます!」
「脳の構造の何ともいえない形が魅力的。生物と同じように美術も好きなので、スケッチには力が入ります!」

3学期は、生化学実験を予定しています。

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(写真)鍋山先生と生徒の皆さん

6月「PCR実験」の様子はこちらから
7月「pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」の様子はこちらから
9月「GFP精製クロマトグラフィー実験」の様子はこちらから
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学習院大学文学部教育学科は、2013年の開設以来、
地域社会と連携したカリキュラムを取り入れています。

その中の1つ、「生活科教育法」という授業の一環で、
9月17日(木)と9月24日(金)に、
近隣にある目白小学校2年生との合同授業を行いました。

1日ずつ相互に学校を訪問し、交流を深めようという取り組みです。

目白小学校では、
生活科の授業を使って交流会が行われました。

児童の皆さんが中心となって
一緒にゲームをしたり、歌を歌ったりしました。

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(写真)にぎやかにゲームをする様子

学習院大学では、教育学科の学生が先生役となり、
目白キャンパス内を案内しながら散策しました。

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大学図書館では、児童の皆さんは
本の所蔵数や種類、また、大学生がどんなときに図書館を利用するかなどについて
話を聞き、メモを取りました。

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(写真)大学図書館を見学

中央教育研究棟では、授業の様子を見学しました。

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(写真)大学生の授業風景を見学

厩舎では、馬術部員のサポートのもと、
馬とのふれあいを体験しました。

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(写真)厩舎で優しく馬をなでる

児童の皆さんは、学生たちともすっかりなじんで、
手をつないで仲良く話しながら歩く様子も見られました。

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目白小学校の児童の皆さんに感想を聞いてみたところ、
「学校がすっごく広い!」
「お兄さん、お姉さんが優しい!」
と、興奮の面持ちでした。

交流会の最後は、ハイタッチでのお見送り。
あっという間の1時間、楽しく交流することができたようです。

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教員を目指す学生たちにとっても、
小学校の現場を知る良い経験になりました。

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9月16日(水)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

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(写真)授業の様子

前回の実験では、
遺伝子組換えにより大腸菌(E.Coli)に
GFP(緑色蛍光タンパク)遺伝子を組み込みました。

今回の目的は、このGFPを組み込んだ大腸菌を液体培養という手法で大量に培養し、
GFPそのものを抽出することです。

<1.大腸菌(E.Coli)の溶解>
まず、大腸菌に培養液を入れて遠心分離し、大腸菌が沈殿した様子を観察します。
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(写真)UVランプで大腸菌が沈殿した様子を観察。光っている沈殿物が大腸菌。

次に、大腸菌の中に閉じ込められているGFPを取り出すために、
大腸菌にリゾチーム(酵素)を加えて菌を溶かし、
「凍結→融解」という処理を繰り返します。(凍ると膨張して、菌体が破壊されます)
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(写真)液体窒素でサンプルを凍らせる様子
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(写真)凍らせたサンプルを37℃のお湯に浸す

さらに遠心分離を行うと、
GFPは水に溶けやすい性質なので、上清に出てきます。

以上の操作で取り出した「大腸菌抽出液」をカラムにかけます。

カラムとは、タンパク質を抽出するときに使う特殊な樹脂の詰まった
管のことをいいます。

<2.カラム操作>
まず、GFP入りの「大腸菌抽出液」を、2M(モル)の塩溶液に調整します。
(2Mという濃度は、生体分子にとって非常に高濃度の塩溶液です)
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(写真)カラム操作の様子

この高濃度の塩溶液の中では、GFPの立体構造が変化し、
普段はGFPの内側に隠れている「疎水性(水が嫌いな部分)」の領域が、
むき出しの状態になります。

一方、今回用いるカラムは、
疎水性のタンパク質を吸着する性質があります。

2Mの溶液に調整した「大腸菌抽出液」を、
準備したカラムの上部から注ぎ、UVランプで確認すると...

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(写真)抽出したGFPを含む大腸菌抽出液

カラム上部がきれいに光り、
ディスク状に、GFPが吸着していることがわかりました!

これは、2Mの高濃度の塩溶液でGFPの疎水性の領域がむき出しになり、
疎水性のカラムにGFPが吸着したことを表しています。

続いて、1.3Mの洗浄液で、
GFP以外のタンパク質たちを洗い落とします。
(大腸菌抽出液の中には、GFP以外にも沢山の大腸菌のタンパク質たちが含まれているため、洗い流します。GFPはカラムと結合しているので洗浄しても落ちませんが、GFP以外のタンパク質たちは結合していないため洗い流されます)

いよいよGFP抽出です!
低濃度である10mM塩溶液を、カラム上部から注ぐと、
ポタポタとGFPの緑色蛍光が滴下してくる様子が観察できました。

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(写真)ディスク状に吸着したGFPが見えます。

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(写真)緑色蛍光のGFPがだんだん下降していく様子
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(写真)次第に落ちてきます。
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(写真)さらに落ちてきます。

<実験のポイント>
①遺伝子組換えによって、本来オワンクラゲが持つGFP(緑色蛍光タンパク)を、
大腸菌(E.Coli)の中に取り込むことに成功した。(前回の実験内容)

②その大腸菌の内部にあるGFPを、
リゾチームという酵素で溶かし、凍結と融解をすることで破壊し、
菌の内部にあるGFPを取り出した。

③GFPの立体構造は塩濃度によって変化する。
GFPは本来、水溶性であるが、2Mという超高濃度塩溶液に浸すと、
疎水性の部分が表に現れてくる。
この性質を利用して、2Mの塩溶液に調整したGFPを
疎水性のカラムに入れると、カラムとGFPが吸着する。

④溶出では、10mM塩溶液をカラムに加えると、
GFPは、立体構造が元通りになり、
出っ張っていた疎水性の領域はGFP内部へと引っ込む。
そうすることで、カラムから外れて、滴下する(溶出)。

⑤カラムによってタンパク質を抽出することは、通常目で見ることはできないが、
GFPの場合、UVを当てると緑色蛍光に光るため、目で確認することができる。

<まとめ>
前回の遺伝子組換え実験から続き、
GFP(緑色蛍光タンパク)やカラムでの精製の仕組みを
視覚的に学ぶことができました。

[鍋山先生のコメント]
カラム操作は、大学の生物系で、
主に、目的のタンパク質を精製する際に行う実験(技術)です。

しかし、タンパク質がカラムに
①吸着したかどうか
②洗浄でも落ちずにカラムに残っているかどうか
③溶出したときにちゃんと落ちてきているかどうか
を目で見ることまでは出来ません。

でも、GFPは違います。

GFPはUVを当てると緑色蛍光を発しますので、
①吸着したこと
②洗浄してもそのまま吸着していること
③しずくとしてGFPが落ちてくること
が現象として観察出来ます。

この見える!という点に、教育的意味があると思います。

生徒の皆さんからは、
「今回は緑に光らせる実験で、綺麗だった」
「ディスク状に光らせるのがなかなか難しかったが、無事に成功して安心した!」
との感想が寄せられました。

今回の実験も、楽しく取り組むことができたようです。

6月「PCR実験」の様子はこちらから
7月「pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」の様子はこちらから
学習院高等科のホームページはこちらから

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学習院高等科・中等科では、
10月31日(土)、11月1日(日)の2日間、
文化祭「鳳櫻祭」が行われます。
↓詳しい情報はこちらから(鳳櫻祭2015ホームページ)
http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~bhshouou/2015/
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7月14日(火)、15日(水)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
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(写真)授業の様子

今回は、「 pGLO バクテリア遺伝子組換えキット」を用いて、
バクテリア(大腸菌)の遺伝子組換実験を行いました。

遺伝子組換え技術の理解を深めることを目的に、
大腸菌が本来持っていない「緑色蛍光タンパク」の遺伝子を取り込ませ、
その新しい性質を大腸菌内で発現させます。

具体的には、もともとは蛍光を持たない大腸菌の細胞に、
オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク遺伝子を導入することにより、
大腸菌の表現型の変化を観察し、組換えが行われたかどうかを確認をします。
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(写真)先生による概要説明

この実験は、
無菌状態で作業を進めることが大きなポイントです。
マスクを着用し、アルコールで手を消毒してから
作業に取り掛かりました。

バーナーを扱い、火炎減菌による無菌操作で実験を進めます。
風で埃などが飛ばないようクーラーのスイッチも切り、
暑さに耐えながらの実験となりました。
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(写真)大腸菌を緩衝溶液に入れて懸濁
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(写真)先生の指導を受けて作業を進める様子

溶液の混合を終えたら、
ヒートショック法で急激な温度変化を与えます。
これにより、大腸菌への遺伝子の導入が行われます。

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(写真)氷上で4℃に冷やしたチューブを
    42℃に調節したウォーターバスに50秒間浸す

タイムキーパー役の生徒が時間を確認しながら、
正確に作業を進めていきました。

次に、「LB培地」という、培養に必要な栄養成分を含む液体を加えて
大腸菌を培養します。
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(写真)LB培地注入後、指で軽く弾ませるようにして溶液を混ぜる

このとき、以下の4種類のプレートを用意します。
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①+DNA LB/Amp(アンピシリンが加えられたもの)
②+DNA LB/Amp/ARA(アンピシリンとアラビノースが加えられたもの)
③‐DNA LB/Amp(アンピシリンが加えられたもの)
④‐DNA LB(何も加えられていないLB培地)

①②のプレートには、大腸菌とプラスミド(pGLO)が入った溶液、
③④のプレートには、大腸菌のみ入った溶液を滴下します。

「プラスミド(pGLO)」とは、細胞内にある、核以外の細胞質中の DNAのことです。
この実験では、「ベクター(遺伝子の運び屋)」としてプラスミドDNAを使用し、
遺伝子導入を図ります。

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(写真)2種類の溶液をそれぞれのプレートに滴下し、
    植え付けループを用いて大腸菌サンプルを広げる

その後、
4つのプレートにコロニー(細胞のかたまり)形成をさせるため、
翌日まで37℃のインキュベーター(温度を一定に保つ装置)に入れます。

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(写真)インキュベーターに入れ、コロニーを培養する

2日目は、
培養したコロニーの様子を観察します。

遺伝子導入した細胞が緑色蛍光に光るかどうか、
実験室の電気を消し、暗闇の中UVランプで照らしてみると・・・
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(写真)4つのプレートを並べて照らす

1つだけプレートが緑色蛍光に光っています!

左から、
①+DNA LB/Amp [コロニー形成有り]
②+DNA LB/Amp/ARA [コロニー形成有り 緑色蛍光]
③-DNA LB/Amp [コロニー形成無し]
④-DNA LB [コロニー形成有り(多数)]

という結果です。
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(写真)緑色蛍光に光るコロニー

大腸菌にプラスミドDNAを導入しましたが、
アンピシリン(抗生物質の一種)入りの培地で培養することで、
プラスミドDNAをうまく取り込んだ細胞のみがコロニー形成をしました。

さらに培地にアラビノース(糖の一種)を加えたものは、
上の写真のように遺伝子が発現して緑色蛍光に光りました。
遺伝子の組換えが成功していることが確認できました。

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(写真)コロニーを観察する様子

観察後、実験のまとめを行いました。
培養したコロニーの数を数え、遺伝子組換え効率の計算に用います。

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(写真)テキストをもとに、実験のまとめを行う
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(写真)培養したコロニーの数を数える様子

実験を終えて、生徒の皆さんに感想を伺ってみました。

「無菌状態で行う実験だったので、高度な内容だったと思う」
「実験が成功して嬉しい。暑い中、我慢して作業した甲斐があった!」
「やっぱり実験は楽しい!」

今回の実験は、期末試験後の温習日期間に行われました。
複雑な実験を行うにあたって、
このように時間をたっぷりと確保できる期間があり、
集中して取り組むことができるのも、
学習院高等科のカリキュラムの特徴です。

皆さん、暑い中での実験お疲れさまでした。
充実した夏休みを過ごしてくださいね!

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(写真)実験を終えた生徒の皆さんと鍋山先生

「PCR実験(ポリメラーゼ連鎖反応)」の様子はこちらから
学習院高等科のホームページはこちらから

6月18日(木)、
学習院中等科2年技術(担当:佐藤健教諭)の授業を取材しました。
この日は、4月中旬に種まきした「バジル」の収穫を行いました。

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(写真)中・高等科校舎前にて

バジルはシソ科の一年草で、
イタリア料理によく使われるハーブのひとつです。

ポリポットに種をまき、
日当たりのよいコンピューター室の前で育成しはじめてから
約3ヶ月で、食べられるほどの大きな葉になりました。

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(写真)大きく育ったバジル

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(写真)バジルの香りを楽しむ

収穫後、根元の土をはらって、水でよく洗い流します。

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(写真)バジル収穫の様子

この収穫したばかりのフレッシュなバジルを使って、
翌日の6月19日(金)、家庭(担当:森夏子講師)の授業で
調理実習が行われました。

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(写真)調理実習の概要説明

メニューはバジル料理の代表格、
スパゲッティジェノベーゼとマルゲリータピザ、
そして、デザートのカスタードプリンです。

4~5名の班に分かれ、
それぞれ役割分担を決めて調理します。

中等科生の皆さんは、レシピをもとに手順を確認し、
声を掛け合いながら進めていました。

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(写真)収穫したバジルを炒った松の実と合わせてミキサーにかける

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(写真)オリーブオイルを入れて、パスタ用のバジルソースを作る

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(写真)強力粉などをこねて作ったピザ生地をめん棒でのばす

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(写真)ピザ生地にバジルを混ぜたピザソースを塗り、
フレッシュバジル、チーズをのせて焼く

中等科生の皆さんが着用しているエプロンは、
1年生の時に被服の授業で製作したものです。
胸元のデザインは、それぞれオリジナルのものが刺繍されています。

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(写真)カスタードプリンを作る

また、今回の調理実習には、
現在高等科に留学中の生徒2名も参加しました。

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(写真)留学生と一緒に調理をする様子

中等科生の皆さんは、留学生の2人に
身振り手振りで調理の手順を伝えたり、
簡単な英語で質問を投げかけていました。

慣れない調理に苦戦しながらも、
先生や大学生アシスタントのサポートを受け、
約2時間かけて、美味しそうなバジル料理が出来上がりました!

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(写真)中等科生の皆さんが作った料理
 左からスパゲッティジェノベーゼ、マルゲリータピザ、カスタードプリン

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(写真)試食の様子

自分たちで植えて育てたバジルを
自分たちで調理して食べるという一連の経験を通して、
中等科生の皆さんは、食べ物への関心を高め、
手作りの楽しさ、難しさを学びました。

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6月10日(水)・6月17日(水)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、「PCR実験(ポリメラーゼ連鎖反応)」を行いました。

この実験では、頬の口腔上皮細胞からDNAを抽出し、
DNAポリメラーゼ(合成酵素)を用いてDNAの複製を行います。
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(写真)授業の様子

もともとのDNAは、量がとても少ないため肉眼で見ることはできません。
PCRにかけることで、膨大な量に複製することができます。
PCR反応の原理を学び、視覚的にDNAを観察することが、この実験の目的です。

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(写真)実験の様子① 口腔上皮細胞からDNAの抽出。

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(写真)実験の様子② キレート剤を加えてDNAの分解を防いでいます。

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(写真)実験の様子③ 加熱してDNA分解酵素のはたらきを止め、細胞を破砕してDNAを抽出します。
この後、およそ3時間、サーマルサイクラーという温度変化を伴いながらDNAを複製させる装置にかけることで、
DNAを2の40乗という膨大な量に増やしていきます。

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(写真)クリーンベンチで作業する鍋山先生

「クリーンベンチ」は、周囲の埃や微生物の混入を防ぐための装置です。
高校の授業での導入例は非常に珍しく、今回のPCR実験は、
こうした研究環境が整っているからこそ行える実験とのことです。

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(写真)電気泳動の実験装置と結果 

PCR反応後の生徒達のサンプルを、アガロースゲル(寒天)電気泳動にかけた後、染色しました。

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(写真)アガロースゲル電気泳動の結果

今回、第16番染色体のPV92と呼ばれる領域のAlu配列という特徴的配列の有無を調べました。
個人によって、Alu配列を2つ持つ人「++」(ホモザイゴス)、
Alu配列を1つだけ持つ人「+-」(ヘテロザイゴス)、Alu配列を持たない人に分けられます。

実験の結果、8名中7名が「++」、1名が「--」であることがわかりました。

実験終了後、生徒の皆さんに感想を聞いてみました。

「選択授業が始まってから初めての実験だったので、とても楽しかった!」
「普段の授業が座学なので、この授業で実験できることが嬉しい」
「教科書に載っている内容を実際に手順を踏んで行うことで、より理解を深められる」

中には、「選択授業の成績評価は、テストではなく、レポート提出なのでありがたい!」
という声も!

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(写真)実験を終えて、結果を手にする鍋山先生と生徒の皆さん

長時間の実験、お疲れさまでした。

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4月13日(月)、
学習院中等科3年生物(担当: 田中一樹教諭)の授業を取材しました。

この日の授業は武道場で行われ、
「心肺蘇生法」の実践を通して心臓の仕組みについての理解を深めました。

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(写真)「心肺蘇生法」授業の様子

心臓にはヒトの体に必要な血液を運び循環させる
「ポンプ」の働きがあります。

何らかの原因で心臓が止まると、臓器が酸素不足で働かなくなってしまい、
停止後1分経過するごとに10%生存率が下がると言われています。

この命の危機を救うのが、胸骨圧迫による心肺蘇生(心臓マッサージ)です。

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(写真)心臓マッサージの方法を説明

授業では、先生による説明の後、心肺蘇生訓練用の人形を使って、
生徒が実際に心臓マッサージの練習を行いました。

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(写真)心臓マッサージの練習をする生徒たち

胸骨圧迫で胸を押すところは、乳頭を結ぶ線の中心です。
倒れている人の様子に注意しながら、
一定のリズムで真上から強い力をかけて圧迫します。

大きな声で30回ずつかぞえながら、
交替で練習しました。

授業の終わりには、手をあてる位置・押し込み・戻し・声の大きさ・テンポの
5つのポイントを見る実技試験が行われました。

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(写真)実技試験の様子

最近の研究によって、
心肺停止状態で自発呼吸がすぐに戻らないことよりも、
血流が止まって脳に酸素が送れないことの方が
命の危険度が増すことがわかり、
心臓マッサージの重要性が高まっているとのこと。

中等科生の皆さんは、救急車が到着するまでのあいだに、
とにかく心臓マッサージを連続して行い、
脳に血流を送ることが大事だということを学びました。


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2月25日(水)、
目白キャンパス学習院中等科・高等科の標本保管室で行われた、
中等科1年生物(担当:田中 一樹教諭)の授業を取材しました。

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(写真)標本保管室

標本保管室には、動植物合わせて約7,000点もの標本があります。
一部寄贈されたものを除き、ほとんどが戦前に独自に収集したものです。

今回の授業は、鳥の本はく製のスケッチによる観察です。

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(写真)観察の様子①

4~5人のグループごとに分かれて観察します。

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(写真)展示の様子

鳥は、同じ種類でも、性別や年齢、生息地域によって、
羽の色や体の形が少しずつ違っています。

飛んでいる鳥を間近で観察することは難しいので、
鳥の外観にほぼ近い形で保存された本はく製を観察することにより、
生活形態の違いを知ることが目的です。

授業では「くちばし」と「足の指の形」に注目して、
ワシ・タカ・フクロウなどの猛鳥類や游鳥類、渉鳥類など6種類のスケッチをしました。

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(写真)観察の様子②
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(写真)ハヤブサ〔猛鳥類〕の本剥製

スケッチをすることによって、見る視点がはっきりし、
より丁寧に観察することができます。

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(写真)スケッチの様子

中等科生の皆さんは1時間かけて、それぞれの鳥の特徴を細かい部分まで観察し、
スケッチで表現しました。
描いた絵に観察で気づいた点をコメントで補足し、課題を完成させました。

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(写真)観察の様子③

中等科1年の生物の授業ではこのように、
標本保管室でのスケッチ観察を通して、教室での学習で得た知識を強化し、
さらなる理解を深めています。


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1月21日(水)、
高等科3年・選択生物②の授業「魚肉からのタンパク質抽出とタンパク質電気泳動」
(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。

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(写真)授業の様子

今回の授業では、
①8種類の魚肉からタンパク質を抽出し、
②電気泳動により8種類の魚肉に含まれるタンパク質の種類と分子量を調べました。


①魚肉からタンパク質を抽出----------------------------------------
電気泳動で使用するサンプルを作成します。
お刺身を全部で8種類用意します。マグロ、カンパチ、甘えび、サーモン、ヒラメ、
真鯛、ホタテ、イカを用意しました。

タンパク質はもともと立体構造を持っているため、電気泳動に用いるためには
タンパク質を変性させ、立体的な構造から直鎖状にする必要があります。

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サンプルとなる魚肉(市販されているお刺身)をすり鉢に入れ、
還元剤入りのサンプルバッファーを加えながらすり潰し、マイクロチューブに移します。

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95度で5分間加熱します。これでタンパク質の変性が完了です。

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遠心分離で上清を取り、タンパク質抽出液が完成しました。


②電気泳動-------------------------------------------------------
次に電気泳動を行い、サンプルに200Vの電圧をかけることでゲル内を移動させます。
分子量が大きい(長い)とゲルに引っかかりやすくなるため、移動距離は短くなります。
分子量が小さい(短い)と移動距離が長くなります。

生物の組織や細胞内には様々な分子量のタンパク質が存在しますが、
それらをふるいにかけ、長さ順にソートすることが電気泳動の目的です。

今回8種類の魚肉サンプルを電気泳動することで、
それぞれの魚肉に特有のタンパク質のバンドパターンが見られるはずです。
また、それぞれのバンドの分子量も、検量線から算出することができます。

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鍋山先生から電気泳動装置の原理について説明を受けています。
生徒のみなさんも、初めて見る実験装置に興味津々です。

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サンプルのアプライ(注入)の様子です。
隣の枠のサンプルと混ざらないように、慎重にゲルへサンプルを入れていきます。
サンプルは青い色素で着色されています。

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サンプルの入ったゲルを設置後、200Vの電圧をかけます。
タンパク質が下に向かってゲルの中を移動している様子が確認できます。

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電気泳動後、ゲルを染色し、バンドパターンを確認しました。

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実験結果です。
8種類のサンプルでそれぞれバンドが確認できました。
魚の種類によって、含まれるタンパク質の違いが分かりますね。

今回はタンパク質抽出と
タンパク質電気泳動による魚肉中のタンパク質の比較を行いました。

※前回の授業の様子はこちらから
  →5月「PCR実験」
  →7月「 pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」
  →9月「GFP精製カラムクロマトグラフィー」
  →11月「マウスの組織標本の組織染色」

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学習院高等科入試願書の受付は2月7日(土)〔消印有効〕までです。
詳しい情報はこちらから
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1月9日(金)、
目白キャンパスの学習院中等科・高等科第1および第2グラウンドで、
中等科1年物理「凧揚げの試験」(担当:田中一樹 教諭)が行われました。

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(写真)中等科・高等科第2グラウンド

日本の伝統的なお正月遊びの「凧揚げ」ですが、
『どうやったら高く上がるのか』を学問的に考えると、
「風力」「風圧」「揚力」「抗力」など、物理の分野になります。

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1年生は冬休みの間に各自で材料を調達し、
設計図を元に「ぐにゃぐにゃ凧」と呼ばれる凧を作り、練習してきました。

「ぐにゃぐにゃ凧」は、六角形に切ったビニールに、木や竹で作った骨を左右対称に貼り、
たこ糸をつけた比較的簡単な作りの凧です。

揚がっている凧が誰のものかわかりやすいように、
表面にはマジックで大きく出席番号が書いてあります。

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悪戦苦闘する中等科生のみなさん。
これまでも凧揚げをする機会はそうそうなかった上に、
この試験では凧を持ってもらうなどの補助もなく、走るのも原則禁止です。

風の流れを感じながら、風に合わせて揚げていくのですが、
なかなか風をつかめません。

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少しずつコツをつかんできました!
風上側に立ち、風下側に向かって糸を2~3メートル繰り出します。
凧が安定して揚がっているのを手に感じたら、
さらに糸を少しずつ繰り出します。

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グラウンドのフェンスの高さを超えると、合格です!

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合格した生徒はそこで凧揚げストップ。
まだ合格していない友達にアドバイスし、サポートに回ります。

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冬の穏やかな青空にめぐまれ、絶好の凧揚げ日和でした。
1日かけて5クラス全員の凧揚げ試験が行われました。

大半の生徒は合格しましたが、中には時間内に合格できなかった生徒も。
後日「追試」が実施されるとのことです。


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12月10日(水)、
戸山キャンパス学習院女子中等科で、
1年生を対象とした「お茶会」が行われました。
道徳(作法)の授業の一環として、30年以上続いています。

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このお茶会は、お座敷への入り方からお茶をいただくまで、
1年間のお作法の集大成です。

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入室後、まずは床の間に飾られた掛け軸・生け花を拝見します。

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女子高等科の茶道部員が協力し、お茶を点ててくれました。

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冬の和菓子「藪柑子」をいただいた後、
茶道部員が心を込めて点てた抹茶をいただきました。

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お茶会を終えると、1年生の皆さんは、
上級生への感謝の言葉を原稿用紙いっぱいにつづりました。

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上級生の言葉遣いや立ち居振る舞いなどの美しさに、
感銘を受けているようでした。

女子中等科では、1年生からこうした素養を身に付けていきます。

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このお茶会の様子は、学習院女子中・高等科のホームページでも紹介されています。
その他にも日々の様子が随時更新されていますので、ぜひご覧ください。
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12月6日(土)、
生涯学習センター秋期特別講座「更級日記と源氏物語」が
学習院女子大学および草上会(※)との共催で開かれました。

※草上会・・・学習院女子短期大学、学習院女子大学の同窓会組織

学習院女子大学国際交流学部日本文化学科の
伊藤守幸教授が講師を務め、約60名の方が受講しました。

伊藤教授は平安文学・比較日本文学研究を専門とする研究者で、
「更級日記」に関する論文を数多く執筆しています。

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(写真)講座の様子

「更級日記」は、平安時代中期に
菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ:1008-没年不詳)が書いた作品で、
同時期に成立した紫式部の「源氏物語」への強い憧れを基軸に、
10代から50代までの孝標女自身の人生が描かれており、
平安女流日記文学の代表作のひとつに数えられています。

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(写真)伊藤守幸学習院女子大学教授による解説

講座ではまず、菅原道真(845-903)を祖とする孝標女の家系の説明や、
「更級日記」がどのように現代に伝わったかについての解説がありました。

孝標女による原本は現存しておらず、
藤原定家(1162-1241)による「更級日記」の写本(通称「御物本」)があり、
この御物本がいつしか順序が誤ってとじられ、
江戸時代に多く作られた写本もすべてが「錯簡」であったことが、
大正13年、佐々木信綱らの研究で判明しました。

錯簡を修正し、「更級日記」が正しい順序で読まれるようになったのは
昭和に入ってからとのこと。

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講座の後半は、更級日記の主人公の少女(孝標女)が
源氏物語を耽読する場面前後の記述を精読し、
継母や乳母との別れなど人生のどん底とも思える時期に源氏と出会い、
次第に物語に心を奪われていく過程を丁寧にたどりました。

また、更級日記は紀行文としても非常に優れた情景描写が多く、
伊藤教授は「映画化したらとても美しい作品になる」と話しました。

こうした古典作品には当時の日本人の美意識や世界観などが表現されており、
改めて読み直すことで日本文化の原点を探ることができます。

受講生の皆さんも更級日記のテキストを読み、その世界観を堪能しているようでした。

伊藤教授は10年近くにわたり、
更級日記英訳作成のための共同研究を重ねてきましたが、
その研究成果としてこの夏、更級日記の翻訳本
「The Sarashina diary : a woman's life in eleventh-century Japan」
(Columbia University Press)を出版しました。

更級日記は1971年にイギリスの翻訳家アイヴァン・モーリスにより訳されて以降、
海外でも多くの方に読まれてきました。
今回刊行された「The Sarashina diary」は伊藤教授の研究をもとに、
日本の学界の研究水準を反映した、最新の更級日記翻訳本となっています。

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(写真)伊藤教授の翻訳本を回覧する受講生

伊藤教授の「The Sarashina diary」に関する詳しい情報はこちらから

学習院生涯学習センターでは、
多くの方々の「学びたい意欲」に応えるべく、
さまざまなジャンルの講座を開講しています。

年齢・性別など問わず、どなたでも受講いただけます。

1月からは「冬講座」が始まり、特別講座7講座を含め、
「教養」「語学」「趣味」「実務」や「資格試験講座」、
など全113講座が順次開講しています。

開講科目に関する詳しい情報や申込方法などについては、
こちらの生涯学習センターホームページをご覧ください。

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《お問い合わせ》
学習院生涯学習センター TEL: 03-5992-1040


★関連記事:
【生涯学習センター】春季特別講座「西洋美術史」はこちらから
【生涯学習センター】秋期特別講座「ローマとフィレンツェ」はこちらから


学習院女子大学のホームページはこちらから

11月12日(水)、
学習院大学経済学部「経営学特殊講義(マーケティング・プレゼンテーション)」
(担当:八塩圭子特別客員教授)の授業を取材しました。

この授業は、マーケティングの基礎を学び、その実務で重要となる
プレゼンテーションスキルを身に付けることを目標としています。

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(写真)八塩圭子特別客員教授

テーマに沿ってリサーチを重ね、
効果的なプレゼンテーションを展開するという一連の作業や、
コミュニケーションの現場を想定したロールプレイの実践など、
ビジネスシーンを疑似体験するさまざまなプログラムで構成されています。

この日の授業では、
クラスを6つのグループに分け、約3週間かけて準備した
「お菓子の新製品を企画する」というプレゼンテーションの
コンペティションを行いました。

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「どんなお菓子を」「どんなお店で」「誰をターゲットに」「どのように販売するのか」
着想点の説明からはじまり、ニーズを把握するための市場調査や
データの分析をする中で得られた提案の根拠となる事例を挙げながら、
そのひとつひとつを検証し、商品の魅力や実現性について、
1グループ15分でプレゼンします。

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ポップコーンやクッキー、ラスク、和菓子など、
既存のお菓子にさまざまなアレンジを加えた多彩なアイディアが提案されました。

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中には実際に試作品を持ってきて、
味覚でアピールするグループもありました。
(全員男子のグループだったので、さらに驚きました!)

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商品名はもちろん、価格設定や販売戦略、宣伝方針なども具体的に示します。
CMに起用するタレントやその内容について細かく提案したグループもあり、
必要な要素を押さえながらも型にとらわれない、6組6様の自由な発想が表れた
プレゼンテーションとなりました。

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(写真)審査員の山本啓太氏

コンペティションの審査員を務めたのは、
総合食品メーカーのマーケティング部に勤務されている
山本啓太さんです。

山本さんは大学時代に八塩先生のゼミに所属しており、
現在、学習院マネジメント・スクールで、若手マーケター中心の
「小売データ分析異業種交流講座」を受講しています。

今回のコンペティションを開催するにあたり、
事前の授業にもゲストスピーカーとして登壇、
学生たちに向け、お菓子の新製品を企画する現場の話や、
プレゼンテーションのアドバイスをしてきました。

「新規性」「売り上げ」この2つのポイントと、
「小売業の担当者が『売りたい』と思えるかどうか」といった観点から審査した結果、
コンビニエンスストアのホットスナックコーナーで販売し、
さまざまなテイストのパウダーを選べて、それをまぶして食べる
「シャカシャカポップコーン」を提案したグループが最優秀賞を獲得。
山本さんから記念品が贈られました。

その後、それぞれのグループのプレゼンについての
講評も行われました。

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『どうしたら相手に効果的に伝えることができるのか』

その答えを求めて学生たちは、授業の中で「実践」と「反省」を繰り返し、
日々研鑽を積んでいます。


学習院大学経済学部のホームページはこちらから
学習院マネジメント・スクールのホームページはこちらから

11月19日(水)と26日(水)の2回にわたり、
高等科3年・選択生物②の授業「マウスの組織標本の組織染色」(担当:鍋山 航 教諭)を
取材しました。

※前回の授業の様子はこちらから
5月「PCR実験」
7月「 pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」
9月「GFP精製カラムクロマトグラフィー」

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(写真)授業の様子
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(写真)実験の方法を説明する鍋山先生
今年から新たに行うことになった蛍光染色の説明をしているところです。

今回の授業では、生徒自ら作成したマウスの組織標本を用いて、
以下①、②の実験を行いました。

①ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色
HE染色とは、動物組織の細胞核・細胞質を色違いで染め分けることで
観察し易くする方法です。核は青色に、核の周りの細胞質はピンク色に染まります。
染色した標本は、光学顕微鏡で観察します。

②ファロイジンによるアクチン蛍光染色
アクチンタンパクは細胞骨格タンパク質の1種で、動物組織や細胞内に普遍的に存在します。
今回、このアクチンタンパクの局在を観察します。
ファロイジンはアクチンタンパクに特異的に結合する物質ですが、
このファロイジンに蛍光色素をつけて染色します。
これにより、アクチンタンパクの組織内での局在を、蛍光顕微鏡で観察することが出来ます。

以上①②の染色を行い、
今年新たに導入した蛍光顕微鏡を用いて観察しました

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(写真)これから染色するマウスの組織標本を選ぶ様子

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(写真)光学顕微鏡によるHE染色観察の様子

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(写真)スケッチの様子

では、
実際に観察された写真をご紹介いたします。

<小脳>
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小脳のHE染色です。綺麗に3層構造が見られます。※倍率100倍

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小脳のアクチン蛍光染色。(a)(b)(c)の3層構造が見られます。※倍率100倍

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小脳のHE染色。小脳の神経細胞(ニューロン)です。※倍率400倍

<大脳>
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大脳のHE染色。記憶の中枢 海馬です。※倍率100倍

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大脳のアクチン蛍光染色。海馬を走るニューロンが見えます。※倍率400倍

<骨格筋>
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骨格筋のアクチン蛍光染色。矢印のように横紋(縞模様)が綺麗に見えます。※倍率100倍
そもそも骨格筋はアクチンを大量に含んでいますので、美しく見えます。

<腎臓>
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腎臓のアクチン蛍光染色。腎臓の糸球体(a)とボーマン嚢(b)が見えます。※倍率400倍

<肝臓>
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肝臓のアクチン蛍光染色。肝小葉という肝臓の最小単位が観察できます。※倍率100倍

<精巣>
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精巣のアクチン蛍光染色。精細管が見えます。※倍率100倍

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今年の選択生物の授業も今回で最後となりました。
鍋山先生から生徒の皆さんへメッセージをいただきました。

1年間を通して、毎週実験&レポートを行って来ました。
レポートは大量にありましたが、みんなよく頑張りました。
今年の主な実験として、pGLO遺伝子組換え実験、
GFPカラムクロマトグラフィー実験、PCR実験、DNAの電気泳動、解剖実験、
そして組織染色、と盛りだくさんの内容でした。
これから医歯薬系や生物系に進む生徒も、文系に進む生徒も進路はそれぞれ異なりますが、
みなさんの良い経験値になりますように。今年1年間楽しく学べましたね。

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学習院高等科のホームページはこちらから

11月12日(水)、
社会演習日本史選択B(担当:石川和外教諭)の授業で、
学習院女子高等科の3年生9名が
目白キャンパスの学習院アーカイブズを訪れました。

身近な歴史資料にふれ、学校の歴史を知る楽しさを伝えたいと、
学習院史資料の調査・整理・保存を行うアーカイブズの協力を得て
実施されたものです。

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授業ではアーカイブズの職員が案内役を務めました。
学習院アーカイブズの概要や役割、課題について説明した後、
所蔵する文書や資料を保管する書庫を見学しました。

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書庫に保存されている大正元年の庶務日誌に、
10代院長の乃木希典が自刃した旨の記載があるのを見て、
生徒たちは驚きの声をあげていました。

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こうした日誌や事務文書、時間割や行事写真などは、
学習院の当時の様子を後世に伝える貴重な歴史資料です。

それらを大切に保存・活用し、未来につなげていくことが
アーカイブズの仕事です。

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「白樺派」を代表する作家・志賀直哉の学習院在学当時の写真もあり、
生徒たちの高い関心を集めていました。

志賀直哉に限らず、学習院は明治10(1877)年の開校以来、
大正・昭和へと続く激動の時代の中で、
日本の政治・経済・文化の中心となって活躍した人物を数多く輩出しています。

そのため、学習院の歴史は日本の近現代史と直結しているといっても
過言ではありません。

日本史の学習をより深めるための教材ともなる資料や史跡が
目白・戸山・四谷の各キャンパスにそれぞれ残されています。

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(写真)乃木館前にて

授業の後半は、目白キャンパスにある乃木館など、
国登録有形文化財指定の古い建物や、血洗いの池・大学史料館などをめぐりました。

今月は女子中・高等科が所蔵する歴史資料を利用しての授業も
行われる予定です。


学習院女子中・高等科のホームページはこちらから
学習院アーカイブズについてはこちらから

★高等科NEWSが更新されました★

移動性高気圧に覆われ、雲一つない青空が広がっています。
高等科3年の選択地学の授業では、快晴を利用して太陽の観測・撮影を行いました。

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(写真)授業の様子

ブログの続きはこちらの学習院高等科ホームページ「高等科NEWS」から

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学習院高等科・中等科では明日から2日間にわたり、
文化祭「鳳櫻祭」が行われます。
↓詳しい情報はこちらから(鳳櫻祭2014ホームページ)
http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~bhshouou/2014/index.html

また、学習院大学もこの週末に大学祭「桜凛祭」を開催します。
にぎやかな目白キャンパスにぜひお越しください!
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7月12日(土)・13日(日)、
国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた
ILSEC(国際法学生交流会議)主催「第25回ジャパン・カップ」において、
学習院大学法学部阿部ゼミナール所属の皆川結菜さん(法学科3年)が
優秀弁論者賞2位を受賞しました!

この一報を受け、
9月17日(水)、第2学期初回のゼミを取材してきました。

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(写真)阿部ゼミナール〔国際法演習/指導教員:阿部克則教授〕
法学部の3・4年生20人が在籍。国際法模擬裁判を行うことによって、
リーガルマインドを養成することを目標としています。

阿部ゼミが参加したジャパン・カップは、
全国から国際法を学んでいる学生が集まる大学対抗国際法模擬裁判大会です。
今年は「ランバルド国における投資に関する事件」を題材に、
各大学の代表チームが原告側と被告側それぞれに分かれて対戦しました。

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(写真)ジャパン・カップ 法廷の様子 ※写真提供:ILSEC

国際法模擬裁判は、大会主催者が設定する架空の国際紛争について、
自国の主張をまとめて事前に裁判所に提出する準備書面と
当日行われる弁論によって争う「法廷ゲーム」です。

国際法学者や外務省職員、弁護士が裁判官役を担当、
どちらのチームがより積極的に主張を展開し、
論理的でわかりやすい弁論をできたかで勝敗が決まります。

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(写真)弁論台に立つ皆川さん ※写真提供:ILSEC
皆川さんは原告側の弁論者として、阿部ゼミを代表して弁論台に立ちました。

事前に提出する準備書面はゼミ生全員で作成します。
膨大な量の資料や過去の判例などを参照し論拠を固めますが、
明確な答えがないためゼミ生の意見がわかれることもあり、
それぞれが就職活動やアルバイト・部活・勉強などで忙しい中、
どう結論に折り合いをつけるかがとても難しかったそうです。

また、当日の弁論で次から次に出される裁判官からの質問にも
即時対応できるように備えておかなくてはならず、
代表として弁論台に立つプレッシャーを抱える皆川さんを支えるため、
ゼミ生が一致団結して資料集めや法理論形成など、
さまざまな面で協力・サポートしてきました。

その結果、京都大学や上智大学、同志社大学、早稲田大学などの強豪校がひしめく中で、
優秀弁論者賞2位という輝かしい成績を収めることができました!

【受賞した皆川結菜さんのコメント】
「今回、原告個人弁論2位という賞をもらったのは、私ではなく、
 阿部教授の指導の下で努力したゼミ生全員だと思っています。
 次大会はさらに上を目指して頑張ります」

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(写真)表彰式後の記念撮影 ※写真提供:阿部ゼミナール

阿部ゼミナールはすでに次の大会への準備を始めています。
第2学期初日のクラスでは、12月末に同志社大学で行われる
「ジェサップ日本予選」(※)への参加を目指し、
英語で書かれた課題の翻訳を3グループに分かれて行いました。

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(写真)グループ作業の様子①

夏のジャパン・カップは3年生が中心でしたが、
今度の大会は4年生が主体となって展開するとのこと。
大学生活の集大成の大会となるため、ゼミ生全員気合が入っています。

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(写真)グループ作業の様子②


皆川さん、阿部ゼミナールの皆さん、受賞おめでとうございます!
これからの活躍を期待しています!


※ジェサップ日本予選・・・
Philip C. Jessup International Law Moot Court Competition
国際司法裁判所判事の名を冠し1960年にアメリカで始まった、
世界で最大の国際法模擬裁判大会。
現在では世界80カ国の500を越えるロースクール、大学から
学生が参加しています。

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9月10日(水)・17日(水)、
高等科3年の選択授業「GFP精製カラムクロマトグラフィー」
(担当:鍋山 航 教諭)の授業を取材しました。
前回の授業の様子はこちらから

■ 9/10 《1週目》
今回の実験では、前回の pGLO 遺伝子組換え実験に引き続き、
GFP(緑色蛍光タンパク)を疎水性カラムクロマトグラフィーで抽出し、
高蛍光強度のGFP抽出液を得ることを目的としています。
成功すれば美しいGFPのソリューションが得られます。

通常、カラムワークは肉眼で確認することはできませんが、
蛍光タンパクであるGFPはその動きが良く分かることが実験のポイントです。

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前回作製の pGLO 導入 E.Coli を用います。
写真左が +DNA LB/Amp 、右が +DNA LB/Amp/ARA です。

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各班の生徒たちはバーナーを使った無菌操作で作業を進めます。
2枚の寒天培地プレートから E.Coli を分取し、
それぞれLB/Amp/ARA の液体培地へ移しました。

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これをインキュベーターで24時間培養し、
振盪(しんとう)により酸素を与えることで、E.Coli の増殖を促します。

■ 9/17 《2週目》
この日は、いよいよGFP(緑色蛍光タンパク)の抽出を行います。

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24時間振盪培養後、両者ともに GFP を発現し緑色蛍光に光っています。
それまでは光っていなかった「+DNA LB/Amp プレートから分取した E.Coli 」も、
今回は綺麗に光っています。

これは、液体培地中のアラビノース (ARA)の存在によりアラビノースオペロンがはたらき、
GFPを発現するように性質を変えたことを示しています。
つまり、アラビノースの存在により遺伝子のスイッチが ON になったわけです。

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生徒たちもUVランプで蛍光をチェックしています。

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この光る培養液をマイクロチューブに移して遠心分離にかけます。
遠心で E.Coli を集菌します。

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E.Coli を遠心分離で回収しました。
沈殿が緑色蛍光に光っていることが分かります。沈殿も綺麗です。
この沈殿を懸濁(けんだく)し、リゾチーム(細菌を溶かす酵素)を加え、細胞を融解させます。

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さらに、「液体窒素を用いて凍結→37℃で加温」を2サイクル行います。
細胞を凍らせて、溶かして、を繰り返すことで細胞を完全に破壊し、
細胞内のタンパク質を溶液中に放出させます。

その後、再び遠心分離を行い、今度は上清を回収しました。
不溶性のタンパク質などが沈殿しますが、
目的の GFP は溶液中に溶けだしており、上清に存在しています。

ここからいよいよ本題のカラムワークです。
先ほどの蛍光色のサンプルを、カラム上部にアプライします。

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カラム上部に、ちょうど CD のように「ディスク状」になっている
緑色蛍光部分が見られます。

これは、カラム表面付近に GFP が吸着したことを意味しています。
塩濃度が 2M という非常に濃い溶液を使っており、
そのため GFP が疎水性カラム樹脂に吸着しています。

いよいよ GFP の溶出です。
カラムを Wash した後、カラムに用いる溶液の塩濃度を 10mM まで下げます。
すると、GFP がカラム樹脂より外れ、次第に、カラム下部へと下りてきます。

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カラム中を移動するGFPの動きが良く分かります。感動的な瞬間です。
生徒たちもカラムにくぎづけです。

最後に、最も濃い蛍光色の部分が下ってきたところを、
マイクロチューブに回収しました。
これで、高濃度のGFPを得ることができました。
GFPそのものだと透明度が高い蛍光色を発しています。

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今回の実験も、全班ともにGFPを回収することができました。


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学習院生涯学習センターでは、9月から秋講座が始まりました。

特別講座9講座を含め、
「教養」「語学」「趣味」「実務」や「資格試験講座」、
「学習院【朝】大学」など全192講座が順次開講しています。

9月13日(土)、
秋期特別講座の初回となる「ローマとフィレンツェ -古代とルネサンス」が
としまコミュニティ大学(※)との共催で行われました。

学習院女子大学国際文化交流学部国際コミュニケーション学科の
根占献一教授が講師を務め、約60名の方が受講しました。

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(写真)講座の様子
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(写真)根占献一学習院女子大学教授による解説
根占教授はイタリアルネサンスの文化と思想を専門とする研究者です。

ルネサンスは14世紀にイタリアから始まった
古代ローマの文化や思想を復興しようとする文化運動あるいは
その時代を表す言葉で、フィレンツェはルネサンス文化の中心都市でした。

講座では、
永遠の都と呼ばれるローマとルネサンスの町フィレンツェの関係を、
過去の歴史やルネサンス期に活躍した人物、建造物などを
綿密にたどりながら考察し、古代ローマがフィレンツェにもたらした影響を
明らかにしました。

受講された皆さんは根占教授の解説に熱心に耳を傾け、
また、一生懸命にメモをとるなど意欲的に学びを深めていました。

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(写真)受講生の様子

幅広い年齢層の方々が受講されていましたが、
「教わるのではなく、自分から学ぶ」という姿勢が見られ、
何歳になっても学びには終わりがないのだということを感じました。

学習院生涯学習センターでは、
多くの方々の「学びたい意欲」に応えるべく、
さまざまなジャンルの講座を開講しています。
年齢・性別など問わず、どなたでもご受講いただけます。

開講科目に関する詳しい情報や申込方法などについては、
こちらの生涯学習センターホームページをご覧ください。

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今回特別講座を行った根占教授による全5回の講座
「イタリア文化講座 ローマとルネサンス-ローマ物語」(9月25日開講)も
現在申込受付中です。
http://open.gakushuin.ac.jp/course/detail/2014/B/039/
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秋期特別講座開催情報(各1回/受講料1500円)
11/15(土)「超高齢社会における医療・介護のゆくえ」
遠藤久夫教授(学習院大学経済学部長)
11/22(土)「明治以降の前田家」
前田利祐氏(加賀前田家第十八代当主、霞会館理事)
11/29(土)「学習院女子中等科・女子高等科の歴史を振り返って」
加川紀代子氏(前学習院女子中・高等科長)
12/6(土)「更級日記と源氏物語」
伊藤守幸教授(学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科)
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《お問い合わせ》
学習院生涯学習センター TEL: 03-5992-1040

★関連記事:【生涯学習センター】春季特別講座「西洋美術史」はこちらから


※としまコミュニティ大学は、
豊島区と区内6大学(学習院大学・女子栄養大学・大正大学・
帝京平成大学・東京音楽大学・立教大学)との包括協定により、
協働して事業展開している人つくり・活動づくり・地域づくりのための
総合的な学びの場です。

7月8日(火)、9日(水)、
高等科3年の選択授業
「 pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」(担当:鍋山 航 教諭)の
授業を取材しました。
前回の授業の様子はこちらから。

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(写真)実験室の様子

今回の授業では、
GFP(Green Fluorescent Protein = 緑色蛍光タンパク質)を組み込んだ
プラスミドDNAをベクター(遺伝子の運び屋)として、
バクテリアであるE.Coli に組み込みます。

本来、E.Coli のコロニーは白色ですが、
遺伝子導入することでその性質を変え、
オワンクラゲ(※)と同様に緑色蛍光に光る性質に変化します。

※紫外線で緑色蛍光に光ることで知られているオワンクラゲは、
GFP(Green Fluorescent Protein = 緑色蛍光タンパク質)を
作り出すことによって緑色蛍光の性質を持っています。

学習テーマは、
「遺伝子組換え技術の理解と遺伝子発現の制御(アラビノースオペロン)」
について学ぶことです。


■ 実験前日(7/7)
スタータープレートの作製です。
E.Coli の培養を前日のうちに開始します。

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(写真)安全キャビネット中でのE.Coli の塗布作業


■ 実験初日(7/8)
原理のおさらいと操作手順の確認から始まりました。

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(写真)今回扱うプラスミドDNAについての説明

今回用いるプラスミド DNAマップです。
GFP、bla、araC、という3つの遺伝子が重要です。

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(図)プラスミド DNA マップ

いよいよ実験開始です。
バーナーを扱って火炎滅菌による無菌操作を行います。
生徒たちも緊張の面持ちです。

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(写真)火炎滅菌による無菌操作①

E.Coli とプラスミド DNA のミクスチャーを作り、
ヒートショック法によって急激な温度変化(4℃→42℃→4℃)を
与えることにより、
プラスミドDNA を遺伝子導入します。

タイムキーパーがカウントダウンしながら、
操作を秒単位で正確に進めていきます。

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(写真)火炎滅菌による無菌操作②

無事に遺伝子導入を終えて、インキュベーター(※)に入れます。
そして翌日まで培養することでコロニーを成長させます。
翌日の結果を待ちます。
※インキュベーター・・・温度を一定に保つ装置

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(写真)インキュベーターに入れる

初日の実験操作を無事終え、みんなホッとしていますね。
ここではじめて笑顔が見えます。

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(写真)1日目を終えて


■実験2日目(7/9)

結果の観察と遺伝子組換え効率の計算、まとめを行いました。
組換え効率の計算には、扱ったDNA量の計算が必要です。

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(写真)計算の説明

どきどきしながらUVランプを照射してみると・・・。
インキュベーターの中でも緑色蛍光が確認できました。

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(写真)緑色蛍光に光るプレート

目的のプレート(左から2番目)が、緑色蛍光に光っています。
今回の実験が成功したことを示しています。
粒1つ1つがE.Coli のコロニーです。

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(写真)E.Coli のコロニー

生徒たちは真剣なまなざしでプレートを観察しています。
得られたコロニー数をカウントし、このあとの計算に用います。

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(写真)観察する生徒①

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(写真)観察する生徒②

【実験結果】
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(写真)緑色蛍光に光るプレート③

左から、
① DNA + LB/Amp
② DNA + LB/Amp/ARA
③ DNA - LB/Amp
④ DNA - LB

の順で、それぞれ

①コロニー形成有り
②コロニー形成有り 緑色蛍光
③コロニー形成無し
④コロニー形成有り(多数)

となり、理論通りの結果が得られました。

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(写真)緑色蛍光に光るプレートを持つ鍋山先生

鍋山先生も、
「緑色蛍光に光るコロニーは美しいです」と
満面の笑みをうかべていました。

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(写真)GFP分子イメージ〔Protein Data Bankより〕


今回、全8班が組換えに成功し、組換え効率も高効率が得られました。
事前学習と練習の成果ですね。生徒のみなさんお疲れさまでした。

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(写真)実験結果


高等科3年の選択生物では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
次回は、今回作製した GFP発現細胞より、
GFPを高濃度で抽出する目的の実験、
「GFP精製カラムクロマトグラフィー」を行う予定です。


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7月12日(土)、
生涯学習センターにおいて、
有川治男学習院大学文学部長による特別講座
「西洋美術史:現地総合篇-そっくり楽しむ西洋美術-」が
行われました。

イタリアのシエナ、フィレンツェ、ベネチア、
フランスのパリ、オーストリアのザルツブルグなど、
各地の街の様子と現地ならではの西洋美術の楽しみ方を、
先生が実際に撮られた写真や現地での録音をまじえ、
臨場感のあるスタイルでご紹介いただきました。

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(写真)有川治男文学部長による解説

講座では、
教会、宮殿、美術館という限られた空間だけではなく、
街のいたるところで見ることのできる
人々の生活と一体化した「美的営み」についてのお話がありました。

また、風土、季節、天候、時間といった
自然環境や旅先で出会う人々との関わりにも触れ、
「美術鑑賞」と「観光旅行」の意味やその重要性についても
興味深いお話をうかがうことができました。

受講者の方々は、
現地での活き活きとした写真や教会の音を聴きながら、
普段とは違った西洋美術へのアプローチを体感しました。

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(写真)講座の様子

学習院生涯学習センターではこのように、一般講座のほかにも、
皆さまの関心が高いテーマをピックアップし、
「特別講座」として開講しています。

次回の特別講座は、
株式会社らくたび代表取締役 若村 亮 氏を講師にお迎えし、
「大人の京都学『美の名庭』
-京都が誇る池泉庭園・枯山水庭園-」というテーマで、
8月8日(金)13時から行われます。

今後もさまざまなジャンルの講座を企画していきますので、
ぜひご受講ください。お待ちしております!


《お問い合わせ》
学習院生涯学習センター TEL: 03-5992-1040

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6月18日(水)、
大学法学部政治学科の「特殊講義(国際関係概論I)」
(担当: Ralph H.PETTMAN 特別客員教授)を取材しました。

この授業は、毎回世界各国のNGOの代表をお招きし、
その視点から見た世界のさまざまな出来事について語っていただき、
世界の動向について知ることを目的としています。

この日は日本赤十字社社長、国際赤十字・赤新月社連盟会長の
近衞忠煇(ただてる)氏がゲストスピーカーとして登壇、
国際赤十字委員会および日本支部の長年の取り組みについて
英語で講演しました。

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(写真)西2号館503教室にて

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(写真)近衞 忠煇 氏

近衞氏は学習院大学を卒業後、ロンドン大学に2年間留学しました。
留学からの帰国途中に中東・アジアの紛争地をめぐり、
帰国後、日本赤十字社に入社。
以後40年以上にわたり、赤十字の幅広い事業に従事されています。

今回の講演ではそのご経験をもとに、
ロンドン大学留学中の「赤十字」との偶然の出会いから、
人種・宗教・文化の違いによって生じるさまざまな問題について、
そしてそれを超越する「中立」という考え方、
Red Cross/Red Crescent/Red Crystalという3つの標章とその成り立ち、
現在のシリア情勢の中で殉職者を出しながらの活動、
ウクライナ情勢の中での赤十字の役割、難民問題、
日赤と皇室の深いかかわり、
戦争から誕生した赤十字が活躍する自然災害での救援など
多岐にわたってお話しされました。

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Ralph H.PETTMAN 特別客員教授の
「特殊講義(国際関係概論I)」は毎週水曜2限(10:40-12:10)、
西2号館5階506教室で行われています。

学部・研究科の所属は問わず、また、
卒業生や一般の方も広くご参加いただけます。
今後のゲストなどの予定につきましては、
こちらの大学法学部のホームページからご確認ください。


日本赤十字社のホームページはこちらから
IFRC(国際赤十字・赤新月社連盟)のホームページはこちらから

学習院高等科3年の選択授業
「選択生物②」(担当:鍋山 航教諭)の授業を取材しました。

この授業は、1年間を通じて実験中心の授業展開をしています。
そのなかでも、大学の生命科学分野につながる内容として、
遺伝子組み換え実験、動物の解剖と組織染色実験、
観察実験などを行っています。
今回の授業では「PCR実験」が行われました。

授業の様子
(写真)授業の様子

PCR実験
(写真)PCR実験

PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)実験は、
頬の口腔上皮細胞からDNAを抽出し、
DNAポリメラーゼ(合成酵素)でDNAの複製を行います。

もともとのDNAは大変少ない量で肉眼で見ることはとてもできませんが、
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)にかけることで、
2の40乗という膨大な量に複製することができ、
これにアガロースゲル電気泳動を行うことで、
視覚的にDNAを観察することができるようになります。

実験の様子①
(写真)実験の様子① 

実験の様子②
(写真)実験の様子②

今回、"Alu配列"と呼ばれるDNA配列に注目してPCRを行っていますが、
Alu配列は個人によりその有無が異なることを観察できます。

例えば、次のようになります。
  Aさん:Alu有  Alu有   +  +
  Bさん:Alu有  Alu無   +  -
  Cさん:Alu無  Alu無   -  -

PCR反応の原理を学び、DNAを電気泳動し視覚的にDNAを確認することが、
この実験の目的です。

クリーンベンチでの試薬分注の作業の様子
(写真)クリーンベンチでの試薬分注の作業の様子

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(写真)PCR反応を進めるための装置"サーマルサイクラ―"
この装置の中で、DNAサンプルは2の40乗という膨大な量に増えていきます。

PCRPV92
(写真)電気泳動の結果と判定結果

このように、高等科3年の選択生物では、
1年を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。


学習院高等科のホームページはこちらから

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