ホーム > 学習院公式ブログ

高等科2年生の授業科目「総合」の選択科目の一つ「理科系ライティング演習」(松濤 誠之教諭) で、
11月10日から3週に渡り、稲垣 長利さんをゲストスピーカーとしてお迎えした特別講義が開催されました。
理科系ライティング演習は、今年度から開講した授業です。

稲垣さんは、学習院の初等科、中等科、高等科、大学卒業生で、ビジネス文書の改善や数多くの
企業研修講師を経験した、いわばビジネスの現場でのコミュニケーションスキル・人材育成のエキスパートです。
生徒たちにとっては先輩でもあり、また、長くビジネスの世界で活躍をしている社会人でもある
稲垣さんの講義は、学習院時代の思い出話から始まり、今後社会に出ていく後輩たちが社会人として
活躍するためのヒントまで広範に及びました。(取材・制作/広報課)

20201207_001.jpg

3回の特別講義の最終回である11月24日は、「仕事とはなにか」「自信とはなにか」「人脈づくりとはなにか」の
3つがテーマでした。稲垣さんはそれぞれについて以下のように説明しました。

「仕事」とは、その仕事の本質を把握して初めて何をすればいいのかがわかること。
「言い換えれば、本質を見極める準備作業なしに仕事を始めても、期待される成果は得られなくなってしまいます。
どんな種類の仕事でも、この本作業よりも準備作業のほうが大切だという原則は変わりません。」

「自信」とは、自分ができる限りの努力をやりきったと納得できたとき、その自分を信じることが出来るから、
その結果得られるものであること。

「逆に、自分が最大限の努力をしていない自覚があるとき、その自分を信じることが出来ないから
『自信がない』という状況が生まれます。」

「人脈づくり」とは、価値ある相手たちと自分が互いに信頼し合える関係を築くこと。
「そのためには、相手にとっての自分が何らかの価値を持っていなければなりません。相手が先輩であろうと、
社会的身分が高かろうと、そんなことは関係がありません。その相手が興味を惹かれる何かを自分が持っていれば
良いことです。例えば相手が実績のある高名な経営者だとしても、自分が持っている対戦ゲームのスキルに相手が
関心を持った瞬間に、人脈(関係)は成立します。後はその関係を信頼関係に深めるための努力を繰り返すだけです。」

稲垣さんは、将来社会に出て壁にあたったときに役立つものだから、今回の特別講義の中でも
この3つは特に覚えておいてほしいと話しました。

特別講義を企画した高等科松濤教諭(地学)は、「理系ライティング演習の大きな目標の一つは、
正確に客観的に事実を語り、明確に論理的に意見を述べることです。誤解の生じない明確な文章を作る
ということは、学術分野だけでなくビジネスの現場においても必要になるスキルです。普段みなさんが
接する大人は親や教師が多いことと思いますが、今回は学校外の大人、社会人と接する機会を作りたいと
考えました。この度講義をしていただいた稲垣さんは、学習院高等科の先輩で、またビジネスコミュニケーションの
分野の第一線で活躍されている方です。稲垣さんに仕事やビジネスの現場で何を考えて、
どう進めるのかを話していただくことで、学校の先にあるものを見据え見識を広めてほしいと考えました。」と
狙いを説明しました。

稲垣さんは、今回の特別講義で伝えたかったこととして、「将来、彼らが社会に出たときに、仕事に対する考え方・進め方、
人脈の大事さを知っている大人になってほしいと思い講義の内容を決めました。」と話しました。
そして最後に後輩たちに「自信を持った良い大人になってほしいと思っています。」とエールを贈りました。

【講師プロフィール】
稲垣 長利
学習院初等科、中等科、高等科を経て1963年大学経済学部卒業。
日本オリベッティを経て、現在ハイテクノロジーコミュニケーションズ(HTC)顧問。 ビジネスに関するあらゆる文書の
改善にかかわるとともに、企業研修講師を多数務める。NHK 放送研修センターで5年、多摩美術大学で5年、
それぞれ非常勤講師としてコミュニケーション関連の講義を担当した。 更に、ビジネス文書の改善の必要性を
訴えるために、「ためしてガッテン」ほかテレビ番組にも数回出演。雑誌等への寄稿も多い。

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: http://www.gakushuin.info/mt/mt-tb.cgi/1364

ページの先頭へ