ホーム > 学習院公式ブログ

学習院が保有する校外施設のひとつ、
栃木県にある日光光徳小屋管理人の三樹さんから
11月のお便りが届きましたのでご紹介します。

***********************************************************

今年の男体山の初冠雪は12日㈫となり昨年より11日も早かったそうです。
光徳小屋は例年の初雪が10月下旬から11月上旬頃ですが、
今年は20~21日になってようやく一面が白くなりました。
翌日には融けてしまいましたが、12月中旬には根雪となるのでしょうか。

20191127_001.png
戦場ヶ原国道120号線からの男体山の初冠雪。
頂上付近の沢筋が白くなっていました。

20191127_002.png
同じ場所から。右端に見える太郎山も頂上付近が白くなっています。

20191127_003.png
西の方向に目を移すと朝日が雲に当たって戦場ヶ原の奥に
薄っすらと虹が架かり幻想的でとても綺麗でした。
分かるでしょうか?

今月は光徳小屋を出て山王峠~涸沼~切込湖~刈込湖
~子峠~湯元温泉までの初冬の陽だまりハイキングです。

20191127_004.png
光徳小屋入口付近の霜柱が15センチ位の高さになり、
山靴で踏むとサクサクと音がして楽しいスタートです。

20191127_005.png
陽だまりの白樺の林の中を登っていると風も穏やかで暑いくらい。

20191127_006.png
山王峠にあるベンチで一休み。
奥に見えるのは山王帽子山。ここでも地面は一面、霜柱です。

20191127_007.png
山王峠から眼下に涸沼を望みながら下って行きます。

20191127_008.png
樹林帯を出ると涸沼は盆地状の明るい別世界。
ここで休憩する時はドリップコーヒーが似合います。

20191127_009.png
今年は雨が多くて切込湖・刈込湖も水量が多く
両方の湖が繋がっていました。

20191127_010.png
台風の影響で所々に多くの倒木が見られ、登山道を塞ぐ倒木等は
チェーンソーで切って道が整備されていました。

20191127_011.png
小峠では周りの広葉樹の葉っぱが落ちて木々の隙間から
湯の湖が見えています。太陽の日差しが暖かくてポカポカです。

20191127_012.png
ゴールの湯元温泉の湯畑。ここでも湧き出している水量が多く感じます。

中禅寺湖畔にある菖蒲ヶ浜レストハウスでは
この時期だけヒメマスの自家製燻製を作られていて、
今回作る工程を初めて見せてもらいました。
出来上がった魚の姿の美しさには驚きで、
もちろん食べても大変美味しいので一見の価値のある品物です。

20191127_013.png
お店横の湖畔の斜面に2段の登り窯があり、
下段には桜の薪を入れて火を点け上段の
ブロックの中にヒメマスを吊って燻します。

20191127_014.png
上段のブロックの中には何尾ものヒメマスが吊られて煙に燻されています。
時には肉やチーズやアーモンド等も燻製にしています。

20191127_015.png
燻されたヒメマスは黄金色に輝き食べるのがもったいないくらい綺麗で、
身はサーモンピンクで薄っすら燻製の香りがしてとても美味しいです。

奥日光は今月末で観光シーズンが終わります。
男体山は閉山されて中禅寺湖の遊覧船やボート、赤沼の低公害バスや
多くのレストハウスが冬期のため休業になります。

小屋でも半年毎の業者による大掃除や電気点検、
防災点検、湧水の水止め、ウオシュレットトイレやシャワーの分解、
1階部分の雪囲い等の冬季対応を完了しました。
いよいよ、これから半年間の厳しい雪のシーズンを迎えます。

日光光徳小屋は、春夏秋の登山やハイキング、奥日光の自然探究など、
多くの学生が訪れています。
詳しいご案内はこちらから

10月26日、学習院大学の卒業生である作家・塩野七生さんをお迎えし、
学習院高等科・中等科、学習院女子中・高等科の生徒106人に対して特別授業を行っていただきました。
今回の特別授業は、学習院高等科1年生佐々木大樹君が塩野さんに送った1通の手紙から実現したものです。
当時、中等科2年生で図書委員だった佐々木君の深い考察に基づいた質問に
塩野さんが自筆で返信したことをきっかけに、学習院が塩野さんに依頼し、
直接対面できる特別授業が実現しました。
当日は塩野さんほか6人(男女高等科から各3名)の生徒が代表で登壇し、塩野さんが執筆した
数々の歴史エッセイを中心に、人生や歴史という大きなテーマについて対話形式で授業が行われました。
登壇した生徒以外からも活発な質問が飛び、実り多いひとときとなった当日の様子をお伝えします。

20191119_01.jpg

1970年代にイタリア永住権を得て、以降ローマに在住している塩野さん。
「本を読むことで教養をつけなさい」と、特別授業前にご挨拶を述べられました。

20191119_02.jpg

黒板にはアレクサンドロス大王の東方遠征の地図。
「なぜ」、と問うことで歴史がよりおもしろくなると解説されます。

20191119_03.jpg

登壇したのは高等科生徒3名(高2十文字君、山﨑君、高1佐々木君)、
女子高等科生徒3名(高2石垣さん、下條さん、日暮さん)。

佐々木君は「塩野さんは、これまで人間を見ることは学んだが、
歴史を学ぶことはしなかったとおっしゃっていましたが、どういうことですか」などと質問。

20191119_04.jpg

質問に対し塩野さんは、「歴史学というのは人が書いた歴史を研究する人。歴史家というのは自分で書く人。
私は歴史を感じてもらいたいと思いながら書いています」。
自分がアレクサンドロス大王のそばに居たらどうだったろうかと、常にその人の本質を見ながら、
これまでルネッサンスに関する作品を20年もの間、書き続けてきたと語ります。

20191119_05.jpg

下條さんからは「本は自分が感じたことをそのまま書くのですか?」と質問が。

20191119_06.jpg

質問に対し塩野さんは、作品を書くとき、
その時代に生きた人々の気持ちになって考えることが大切と答えました。
そして、「自分の考えが常に正しいと思い、考えが一致する人とだけお付き合いするのはとても危険なこと」
「何のために生きているのか?などと考えるだけで人生が過ぎてしまう。悩む必要はありません。
他人がどのように生きてきたかを見てみるといいですよ」と話しました。

20191119_07.jpg

会場の生徒からも次々と質問が。
「今はわからないけれど、(海外など)現地に行けばわかるようになるもの、
見えるようになるモノもありますか?」

20191119_08.jpg

とにかく"本物"を見ることが大切だと語る塩野さん。
「芸術作品はこう見なさい、なんて書いてある本もあるけれど、読む必要はないですよ。
十代は何でもできると思っていい、正解はないので悩まないで実行しなさい。」とエールを送りました。

20191119_09.jpg

塩野さんへの質問は次から次へと続き、
気づけば予定時間をオーバーし特別授業は盛りだくさんの内容となりました。

20191119_10.jpg

最後は、講師を務めてくださった塩野さんへのお礼として、
登壇した男子生徒からは埼玉県草加市名物のせんべい、女子生徒からは花束をプレゼントしました。

生徒たちにとってはかけがえのない、先輩からの教えがしっかり胸に刻まれたはずです。

ページの先頭へ