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高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

9月10月は「マウスの組織標本作製」に取り組みました。
凍結ミクロトームで組織の超薄切片を作製し、
HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色と蛍光色素を用いた蛍光染色を行います。

鍋山先生からのレポートが届きましたのでご紹介します。

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(写真)HE染色したサンプルを、脱水していく様子

今回、蛍光色素は、チューブリンというタンパク質を緑色で、
アクチンというタンパク質を赤色で、細胞の核を青色で示しています。
今回初めて蛍光色素を3チャンネル用いて観察・撮影することが可能となりました。

◆その1 胃の腺細胞
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胃の腺細胞をはっきり観察することができました。

◆その2 肝臓の肝小葉
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核染色による写真です。肝細胞の核が見えます。
細胞内に2つの核が確認できるものもあります。
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こちらは同じく肝小葉ですが、HE染色によるものです。
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(写真)光学顕微鏡でのHE染色サンプル観察の様子

◆その3 骨格筋
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骨格の横紋筋です。左がアクチン染色+核染色、右がチューブリン染色+核染色です。
細長い核は神経に付随した細胞の核で、大きな楕円型の核は骨格筋の核です。

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この写真では、骨格筋とつながっている神経線維(ひも状のもの)がはっきり見えました。
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こちらは同じ骨格筋をHE染色したものです。よく見ると、紫色の核が見えます。
また、横紋(横のしま模様)がはっきり見えます。

◆その4 腎臓の糸球体とボーマン嚢
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真ん中の丸い物体が糸球体で、その周りを覆っている部分がボーマン嚢です。
核もたくさんあることが分かります。教科書にもよく載っている定番です。

◆その5 精巣の精細管の内部
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中央の写真中央を見ると分かるのですが、
精子の鞭毛が中央の空洞に向かってなびいている様子(うぶ毛のように見えます)が観察出来ます。

◆その6 小脳
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小脳の分子層・顆粒層・白質がきれいに見えました。
染色像を合成すると、核の多い領域(青色)と神経線維の多い領域(緑色)がはっきり分かります。

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この写真はHE染色によるものです。小脳のしわがよく見えました。
蛍光染色と比較すると興味深いです。

◆その7 海馬
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記憶の中枢である海馬です。画像合成するとさらにきれいに見えました。
細かな神経線維(ひも状のもの)が無数に走っている様子が良く観察できました。
倍率は違いますがHE染色の海馬(右下)も一緒に比較すると、全体の様子が良く分かります。

このように、今年から新たに3チャンネルの蛍光染色を撮影することが可能となり、
実験の授業でのバリエーションが増えました。
蛍光顕微鏡による観察も今後さらに増やしていきたいですね。

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