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学習院が保有する校外施設のひとつ、
栃木県にある日光光徳小屋管理人の三樹さんから
8月のお便りが届きましたのでご紹介します。

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今年の奥日光の夏は雨の日が続き、
関東地方が梅雨明け宣言されてからも一日中青空が広がる日がなく、
一時的に太陽が顔を出していてもすぐに雨模様になってしまいます。

戦場ヶ原を走る国道120号線からも夏らしい景色を見ることがありませんでした。
そして、ついに気温も30度を超えることなく夏が終わりそうです。

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三本松から見える男体山も雲の中。
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奥に望める日光白根山も雲の中。
ホザキシモツケやアザミは終わり、黄色いマツヨイグサの周りにはススキが出始めました。

今月は、菖蒲ヶ浜にある「さかなと森の観察園」が
8月に無料の一般公開デーを開催していましたので紹介いたします。
ここは国立研究開発法人 水産研究・教育機構の広報施設で、
中禅寺湖にいる「さけ・ます類」やキャビアで知られるチョウザメの観察ができ、
私たちも初めて訪れました。

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夏休み中とあり、多くの子どもたちが来ていました。
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展示水槽のヒメマス。産卵期になると赤く婚姻色(こんいんしょく)になり、
奥日光では木々より一足早く秋の訪れを告げるのだそうです。
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展示水槽のブラウントラウト。体の横に赤と黒の斑点が特徴のサケ科ですが、
実は小屋の脇の小川にも30cm程のブラウントラウトが住み着いているんです。
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飼育池にいるニジマスやレイクトラウトにエサやりをするコーナーがあります。
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魚たちにタッチできるコーナーもあり、初めてチョウザメにさわってみました。
まさしくサメ肌でザラザラです。

他にも、ヒメマス採卵実演やおさかなお話会、研究所ツアー、
おさかな博士クイズなどのイベントがあり、
この施設の歴史も知ることが出来て楽しかったです。
普段は大人300円、子ども100円で入れます。

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今月のゼミ・サークル紹介は3つのゼミとサークルが1つです。

まず、毎年光徳小屋でゼミ合宿をされている、
理学部物理学科の荒川研究室(指導教員:荒川一郎教授)です。
3泊4日かけて皆さん熱心に研究発表されていました。

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小屋での朝食風景。しっかり食べて頭に栄養を蓄えましょう!
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荒川研究室の皆さん16名。

次に、文学部英語英米文化学科の冨田ゼミ(指導教員:冨田祐一教授)です。
初めての光徳小屋利用で1泊2日され、文学部らしく女子が多く華やかでした。
次回はできれば2~3泊されて、奥日光を楽しまれてください。

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冨田ゼミの皆さん17名。

そして、やはり初めて利用していただいた
理学部生命科学科の阿形研究室(指導教員:阿形清和教授)です。
研究室のテーマでもある再生生物学のフィールド研究で、
奥日光のサンショウウオやプラナリアの生態調査をされていました。

プラナリアは私も初めて知るもので、採取したものを見せていただき、
このような生物が身近にいることに驚きました。

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ガラスシャーレーに入れられたプラナリア。3つの個体がいるのが分かりますか。
よく見ると頭部分にはカワイイ目があります(目が複数のものもあるとの事です)。
「プラナリア」を検索してみると興味ある生態を知ることが出来ます。切っても切ってもプラナリア!

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阿形研究室の皆さん17名。プラナリアを見せていただいたり、
サンショウウオのお話を聞き、再生生物に興味がわきました。ありがとうございました。

サークル紹介は自転車同好会です。
メンバーの中には昨年から続いて小屋に来るのが3回目の方もいらっしゃいます。
今回はあいにくの天気で濃い霧や雨にも降られましたが、
2日目には光徳小屋~いろは坂下り~霧降高原~栗山~奥鬼怒林道~山王林道~光徳の
ヒルクライム中心の100キロコースもこなし、3泊4日の合宿でしっかり自転車に乗り込んでいました。

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ガスに覆われて真っ白な中禅寺湖畔を光徳小屋に向けて疾走中。
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自転車同好会のレース班、ツーリング班の皆さん10名。
雨にたたられた合宿、お疲れ様でした。

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日光光徳小屋は、春夏秋の登山やハイキング、奥日光の自然探究など、
多くの学生が訪れています。
詳しいご案内はこちらから

7月10日(月)・11日(火)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)で行われた
「pGLOバクテリア遺伝子組み換え実験」を取材しました。

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紫外線を当てると緑色蛍光に光る性質のオワンクラゲから得られた
緑色蛍光タンパク(GFP)の遺伝子を、バクテリアである大腸菌に遺伝子導入します。

大腸菌のコロニーは本来白色ですが、遺伝子組み換えによって性質が変わり
オワンクラゲと同様に紫外線(UV)によって緑色蛍光に光る性質に変化します。

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(図1)今回大腸菌に組み込むプラスミド DNA

学習のテーマは、遺伝子組み換え技術の理解と、
遺伝子発現の制御について学ぶことです。

3時間の座学による原理説明と3時間の無菌操作の練習を経て、
いよいよ遺伝子組み換え当日となりました。

<1日目 遺伝子組み換え操作>

プラスミドDNAと呼ばれる環状DNAを大腸菌に導入しました。
このプラスミドDNA中に緑色蛍光タンパク(GFP)の情報も含まれています。

また、プラスミドDNAを取り込むことに成功した大腸菌だけを選別するため、
プラスミドDNA内には抗生物質であるアンピシリン(amp)耐性遺伝子も含まれています。

本来、大腸菌は抗生物質であるアンピシリン存在下では死んでしまいますが、
プラスミドDNAを取り込むことに成功した大腸菌はアンピシリン入りの培地でも生育可能なため、
この性質を利用して、プラスミドDNAを取り込むことに成功した大腸菌を選別します。

大腸菌とプラスミドDNA溶液を混ぜて、
4℃→42℃(50秒)→4℃
という急激な温度変化(ヒートショック)を与えることで、
大腸菌にDNAを取り込ませます。

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42℃50秒は正確さが求められるため、
生徒たちもタイマーを構え、緊張の面持ちで行いました。

この実験はガスバーナーを使った火炎滅菌という方法での無菌操作で行いましたが、
とても暑くて生徒たちはたいへんでした。

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次に、ヒートショック後の大腸菌を、下図の①~④の4種類のプレートに広げます。
(まる1日培養し、結果は翌日観察します)

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+DNA(DNAを加えた大腸菌)は
LB/amp、LB/amp/ara プレート上で培養します(下の図①、②)。


<b>
-DNA(DNAを加えていない大腸菌)は
LB/amp、LB プレート上で培養します(下の図の③、④)。

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(図2)今回の実験で使用する4種類のプレート

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この実験では、4種類中のプレート①と②に注目します。
(図④は培養が順調であることを確認する為のコントロール=対照実験。)
(図③は抗生物質であるアンピシリン(amp)が、
大腸菌に対して効いていることを示すコントロールです。)

プレート①は、大腸菌のコロニーが生えてくれば遺伝子導入が成功したことになります。
プラスミドDNAを取り込むことができた大腸菌は、抗生物質であるアンピシリン(amp)に対して抵抗性を持ち、
①のアンピシリン入りの培地でも生き残ることができるため、
①にコロニーが得られた場合は遺伝子組換え操作が成功したことになります。

プレート②は、コロニーが得られかつUVランプで緑色蛍光に光れば、
遺伝子組換えが成功し、さらに緑色蛍光タンパク(GFP)つくられたことになります。
②には①に加えてアラビノース(ARA)という糖が入っています。
プラスミドDNA内のGFP遺伝子がはたらくためには、アラビノース(ARA)がスイッチとして必要な物質ですが、
②はアラビノース入りの培地のためGFPが発現し、UVで緑色蛍光に光ることになります。

さて、結果を楽しみに、翌日まで大腸菌を37℃のインキュベーターで1日培養します。

4枚中②のプレート1枚だけ緑色蛍光に光っていれば実験成功です!

<2日目 結果観察>

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写真では見えにくいですが、左から①、②、③、④のシャーレがあり、
紫外線(UV)ランプを照射しています。
予想通り、②のプレートが緑色蛍光に光りました。つまり、緑色蛍光タンパク(GFP)がつくられたことになります。

まとめると、①のプレートには多数のコロニーがありますが白色です。
②のプレートには多数のコロニーがあり、UVランプにより緑色蛍光に光っています。
③のプレートにはコロニーは1つもありません。
④のプレートにはコロニーが多数ありますが白色です。

以上、全てのプレートが予想通りの結果となりました。

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(写真)緑色蛍光のコロニー

生徒のみなさんにとっては、
自分の手を動かしながら科学のおもしろさに触れ、
日ごろの学習内容を再確認する貴重な体験となりました。

高等科3年の選択生物では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
次回は、動物組織の超薄切片を作製し、染色していく実験を行う予定です。

学習院高等科のホームページはこちらから

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