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5月の終わりに、
火星が地球に接近するというニュースが話題になりました。

太陽系で地球のひとつ外側にある火星は、
約780日(約2年2カ月)の周期で地球への接近(会合)を繰り返しています。

火星の軌道は正確な円ではなく、歪んだ楕円であるため、
お互いの軌道上で地球が火星に近づくといっても、すごく近いときと、そうでない時が生じます。

学習院高等科地学部では、
いつもよりも火星が大きく、明るく見えるこのタイミングに合わせて、
火星の観測を行いました。

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(写真)高等科校舎屋上
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(写真)屋上から南東の空を望んで

この日は薄い雲がかかっていましたが、
南東の空に3つの輝く星を肉眼でも見つけることができました。
上の写真で、いちばん左側の天体が土星、その右上の明るく赤い天体が火星、
下側の少し暗い、赤い天体はさそり座のアンタレスです。

地学部顧問の松濤誠之先生が、
火星にはギリシャ神話の軍神アレスの名前が付けられており、
さそり座のアンタレスは「アンチ・アレス(火星に対抗する)」というところから
その名が付いたとお話ししてくれました。

昔の人も、今夜のように火星とアンタレスが近く見えるときに
その名をつけたのかもしれませんね。

また、南西の空では、
明るく輝く木星を見ることができました。

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(写真)天体望遠鏡で木星を観察する

今回、惑星の観測で使用したのは「セレストロンC8」という天体望遠鏡で、
高等科が所有している望遠鏡の中では最も焦点距離が長く、拡大率の高いものです。

火星と地球が近くなったと言ってもその距離は7,528万キロメートルもあり、
肉眼ではとうてい火星の表面の様子は確かめられませんが、
こうした焦点距離の長い望遠鏡を使うことで、
より詳しい観測を行うことができます。

天体望遠鏡にCCDカメラを接続して動画を撮影し、
その動画の中からよく映っている静止画を約1500枚程度選んで合成するという手法で、
火星、土星、木星のすがたをとらえました。

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(写真)火星
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(写真)土星
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(写真)木星

また、この日の観察では、
「イプシロン180」という、太い鏡筒で光を集める能力に優れた天体望遠鏡も使用し、
北東の空、はくちょう座の恒星デネブの周辺にある「ペリカン星雲」を
撮影することができました。

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(写真)地学部が撮影したペリカン星雲

天体望遠鏡「イプシロン180」と、ノイズの少ない冷却CCDカメラ、
街明かりをカットするフィルターを3種類使用して、
淡い星雲の光を約3時間分集めて撮影したものです。

その名の由来の通り、ペリカンの顔の形をした星雲が、
はっきりと写っています。

このペリカン星雲は地球から2000光年離れたところにあります。
宇宙の広がりを目の当たりにし、星の美しさ、不思議さを体感することができました。


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