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学習院大学史料館では、2016年4月2日(土)~5月28日(土)に
「幕末京都の学習院展」を開催いたします。

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この展覧会では、学習院が所蔵する大変貴重な資料が数多く展示されます。
今回はその中のひとつである、勅額「学習院」を紹介します。

※勅額「学習院」の由来とこれまでの調査については下記の記事をご覧ください。
学習院の創立と名称について〔学校法人学習院ホームページ〕
《連載企画》初等科の勅額修復プロジェクト、始動〔学習院公式ブログ〕

◆「勅額」とは?
「勅額」と聞いても何の事なのかピンと来ない方も多いかと思います。
 そこでまず、勅額について解説いたします。

「勅額」は天皇直筆の額字、
あるいは勅(ちょく)賜(し)(天皇より賜る)の額字の事を指します。

つまり天皇直筆のものもあれば、筆の立つ臣下に命じて書かせ、
それを天皇から下賜(下げ渡す)するものもあるのです。

字を額に仕立てる文化は古代中国から渡来したもので、
日本では主に神社・仏閣等の社殿、拝殿、鳥居、門などに掲げて
神徳の発揚に努めるものに用いられています。

日本最古の勅額は、
奈良県唐招提寺の新宝蔵に納められている「唐招提寺」の額であると考えられており、
これは孝謙天皇(在位749-58年)の直筆と伝えられています。

勅額が作られる経緯には主に2種類あって、
1つ目は天皇を思し召しによって作られる場合、
2つ目は社寺等の奏請によって作られ、下賜される場合です。

勅額「学習院」は、
孝明天皇(1831-67)の思し召しによって京都の学習院に下賜されたもので、
字は近衛忠煕(1808-98)が揮毫した事が明らかになっています。
近衛家は書家としても名高い家柄です。

つまり、勅額「学習院」の場合は、
天皇の思し召しによって作られる事になり、
天皇の臣下によって書かれて下賜されたもの、ということが分かります。

◆勅額「学習院」と額「承明門(じょうめいもん)」
勅額「学習院」は、
京都御所内の承明門(京都御所の建礼門と紫宸殿の間にある門)に掛けられている額と
同じ形にされたと伝えられています。

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*写真左 勅額「学習院」
*写真右 額「承明門」(平成2年塗替)

額「承明門」は、
代々禁裏(御所)の大工の家柄である木子家によって、
享和2年(1802)に制作されました。

木子家は京都学習院の講堂の建設も担当していますので、
勅額「学習院」も木子家が手掛けたものと考えられます。

額「承明門」は、享和2年当時の制作図面が、
都立中央図書館に残っています。

それによれば題字の部分は胡粉(白い顔料)地に仕立てられ、
縦3尺8寸5分(約116cm)、横2尺7寸3分(約82.7㎝)の大きさとされました。

木製で、色は題字部分から外側に向かって、
朱(縁)、墨塗(黒)、金泥(ボタン部)、紺青、黄、緑青、
白緑(淡い緑)、胡粉、朱、墨塗、胡粉、碧青、紺青、墨塗、
紺青、碧青、胡粉、墨塗と、
とてもカラフルに着色されたようです。

勅額「学習院」は、縦104cm、横76.5cmとやや小ぶりですが、
額「承明門」の図面と比較してみると基本的な造りや配色は
ほぼ同じである事が分かります。

現在の額「承明門」は、平成2年(2000)に
元の顔料を厳密に調査した上で塗替えられました。

きっと勅額「学習院」も作られた当時は、
今の額「承明門」のような鮮やかな色彩を放っていたのでしょう

承明門の額と同じ形にされた理由や形態の意味合いについては、
今後更なる調査を重ねてご報告します。

ぜひこの機会に、勅額「学習院」を間近でご覧いただけたらと思います。

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学習院大学史料館 平成28年度春季特別展
「幕末京都の学習院展」
開催期間: 平成28年4月2日(土)~5月28日(土)
開催場所: 目白キャンパス北2号館1階 大学史料館展示室
開室時間: 平日・土曜日10:00-17:00
閉室日: 日曜日・祝日 ※4月3日(日)と4月17日(日)は開室いたします。
※入場無料
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「幕末京都の学習院展」の詳しいご案内はこちらから
学習院大学史料館のホームページはこちらから

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