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9月11日(金)、
学習院大学経済経営研究所の研究プロジェクトの一環で、
「第8回公開ワーク・ライフ・バランスカンファレンス」が行われました。

ワーク・ライフ・バランス(WLB)とは、
「仕事と生活との調和」と訳され、性別や年齢に関わらず、
誰もがライフステージに合わせて多様な生き方を選択・実現できることを指す言葉です。

企業等においては、社員が仕事上の責任を果たそうとすると、
仕事以外の生活で取り組みたいこと、取り組む必要があることに
取り組めなくなることを解決するための支援として推進されています。

本カンファレンスは、2008年より、多くの企業の方に
WLBの重要性を認識していただき、効果的な取り組みを共有するべく、
毎年開催しています。

8回目を迎える今回のカンファレンスでは
「女性の活躍とワーク・ライフ・バランス」をテーマに、
長年の課題である「女性活躍」がなぜ進まないのか、過去の事例を紐解きつつ、
今後女性が活躍するために企業は何をするべきかについて、
専門家による講演および研究発表が行われました。

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(写真)会場の様子

企業や病院等の人事担当者やダイバーシティ・マネジメント担当者、
企業の女性活躍やワーク・ライフ・バランスなどを支援する自治体の担当者、
社会保険労務士など、約170名の方々にご参加いただきました。

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【基調講演1】
「企業における女性活躍推進の変遷と今後の課題」

ニッセイ基礎研究所生活研究部主任研究員の松浦民恵氏が、
男女雇用機会均等法が制定された1986年から1999年までを第1の時代、
少子化の流れを受けて仕事と生活の両立支援が前進した2000年代を第2の時代、
両立支援と男女均等推進の両輪連動を模索している2010年代を第3の時代と分類し、
企業における女性活躍推進の変遷を振り返りました。

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(写真)松浦民恵氏

その中で松浦氏は、
「第3の時代がはじまったばかりの現代社会で、
 単に政府の政策的要請に対応するのではなく、企業が主体的かつ粘り強く、
 両立支援と均等推進に取り組むことが不可欠だ」と述べ、
男性は仕事、女性は家庭という男女役割分業を前提とした企業での働き方や、
労働時間に変わる評価を取り入れるなど、社会システム変革の必要性を
今後の課題として挙げました。

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【基調講演2】
「大卒女性総合職の昇進とワーク・ライフ・バランス」

関西学院大学経営戦略研究科准教授の大内章子氏が、
過去の先行研究データの検証を行い、女性管理職の実像や、
どのようなプロセスで昇進の男女格差が生じているのかを明らかにしました。

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(写真)大内章子氏

また、2014年に男女管理職・一般従業員5,000名を対象に行った調査では、
特に「配置転換」における男女格差が大きいことを指摘されました。

さらに、大内氏は、
「女性が育児をしながらでも男性と同様の職務経験を積み、
 高度な技術を身につけることができるような仕組み作りが必要。
 同時に、男性のワーク・ライフ・バランス施策も考えていく必要がある」と
今後の取り組み課題を明示しました。

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その後、学習院大学が採択している、
文部科学省科学研究費基盤研究(A)プロジェクト
「ワーク・ライフ・バランスを実現する企業支援システムと雇用システム」の
メンバー3名が、研究成果の中間報告を行いました。

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(写真)「女性の活躍とWLBの指標」報告
学習院大学経済学部 教授 脇坂 明 氏

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(写真)「多様な働き方と人事管理」報告
千葉経済大学経済学部 兼任講師 藤波 美帆 氏

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(写真)「ワーク・ライフ・バランス施策導入が看護職へ与える効果」報告
帝京大学経済学部 准教授 川上 淳之 氏

発表後には質疑応答の時間が設けられ、
講師および研究発表者全員が登壇し、参加者からの質問に答えました。

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(写真)質疑応答の様子

カンファレンスの最後は、
WLBプロジェクトリーダーで学習院大学経済学部教授の今野浩一郎氏が、
総括を行いました。

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(写真)今野浩一郎教授による総括

今野教授は、講演および研究発表を振り返る中で、
「女性の活躍を推進するために変革をするのではなく、
 人事管理の全体像をどうするのかが課題。
 第3の時代を経た後に迎える第4の時代は、
『女性である』ということがある意味忘れられ、
 多様性の一部となっていることが求められるのでは」と述べました。

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男女雇用機会均等法制定から今年で30年。
日本における女性の社会進出は着実に歩みを進めてきましたが、
欧米諸国に比べると男女の雇用機会の差が依然として大きいなど、
女性が活躍できる社会からは今なおほど遠い状況にあります。

そうした中、女性の力を引き出せていないことは、
日本経済にとってマイナスであるという議論が起こり、
国の成長戦略のひとつとして、「女性活躍」への関心が高まっています。

この女性活躍に欠かせないものとして期待されているのが、
WLBの実現です。

学習院大学経済経営研究所では、他に先駆けて2006年に、
WLBの研究プロジェクトを立ち上げました。

2007年に30数社の先進的な企業とともに作成した、
企業のための自己診断ツールである「WLB指標」は、
現在、多くの企業や団体で活用されています。

WLB指標等の詳細については、
学習院大学経済経営研究所にお問い合わせ下さい。


学習院大学経済経営研究所のホームページはこちらから
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