ホーム > 学習院公式ブログ

6月10日(水)・6月17日(水)、
高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

今回は、「PCR実験(ポリメラーゼ連鎖反応)」を行いました。

この実験では、頬の口腔上皮細胞からDNAを抽出し、
DNAポリメラーゼ(合成酵素)を用いてDNAの複製を行います。
150701_01_001.jpg
(写真)授業の様子

もともとのDNAは、量がとても少ないため肉眼で見ることはできません。
PCRにかけることで、膨大な量に複製することができます。
PCR反応の原理を学び、視覚的にDNAを観察することが、この実験の目的です。

150701_01_002.jpg
(写真)実験の様子① 口腔上皮細胞からDNAの抽出。

150701_01_003.jpg
(写真)実験の様子② キレート剤を加えてDNAの分解を防いでいます。

150701_01_004.jpg
(写真)実験の様子③ 加熱してDNA分解酵素のはたらきを止め、細胞を破砕してDNAを抽出します。
この後、およそ3時間、サーマルサイクラーという温度変化を伴いながらDNAを複製させる装置にかけることで、
DNAを2の40乗という膨大な量に増やしていきます。

150701_01_005.jpg
150701_01_006.jpg
(写真)クリーンベンチで作業する鍋山先生

「クリーンベンチ」は、周囲の埃や微生物の混入を防ぐための装置です。
高校の授業での導入例は非常に珍しく、今回のPCR実験は、
こうした研究環境が整っているからこそ行える実験とのことです。

150701_01_007.jpg
(写真)電気泳動の実験装置と結果 

PCR反応後の生徒達のサンプルを、アガロースゲル(寒天)電気泳動にかけた後、染色しました。

150701_01_009.jpg
(写真)アガロースゲル電気泳動の結果

今回、第16番染色体のPV92と呼ばれる領域のAlu配列という特徴的配列の有無を調べました。
個人によって、Alu配列を2つ持つ人「++」(ホモザイゴス)、
Alu配列を1つだけ持つ人「+-」(ヘテロザイゴス)、Alu配列を持たない人に分けられます。

実験の結果、8名中7名が「++」、1名が「--」であることがわかりました。

実験終了後、生徒の皆さんに感想を聞いてみました。

「選択授業が始まってから初めての実験だったので、とても楽しかった!」
「普段の授業が座学なので、この授業で実験できることが嬉しい」
「教科書に載っている内容を実際に手順を踏んで行うことで、より理解を深められる」

中には、「選択授業の成績評価は、テストではなく、レポート提出なのでありがたい!」
という声も!

150701_01_008.jpg
(写真)実験を終えて、結果を手にする鍋山先生と生徒の皆さん

長時間の実験、お疲れさまでした。

学習院高等科のホームページはこちらから

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: http://www.gakushuin.info/mt/mt-tb.cgi/910

ページの先頭へ