ホーム > 学習院公式ブログ

12月6日(土)、
生涯学習センター秋期特別講座「更級日記と源氏物語」が
学習院女子大学および草上会(※)との共催で開かれました。

※草上会・・・学習院女子短期大学、学習院女子大学の同窓会組織

学習院女子大学国際交流学部日本文化学科の
伊藤守幸教授が講師を務め、約60名の方が受講しました。

伊藤教授は平安文学・比較日本文学研究を専門とする研究者で、
「更級日記」に関する論文を数多く執筆しています。

141222_02_001.jpg
(写真)講座の様子

「更級日記」は、平安時代中期に
菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ:1008-没年不詳)が書いた作品で、
同時期に成立した紫式部の「源氏物語」への強い憧れを基軸に、
10代から50代までの孝標女自身の人生が描かれており、
平安女流日記文学の代表作のひとつに数えられています。

141222_02_002.jpg
(写真)伊藤守幸学習院女子大学教授による解説

講座ではまず、菅原道真(845-903)を祖とする孝標女の家系の説明や、
「更級日記」がどのように現代に伝わったかについての解説がありました。

孝標女による原本は現存しておらず、
藤原定家(1162-1241)による「更級日記」の写本(通称「御物本」)があり、
この御物本がいつしか順序が誤ってとじられ、
江戸時代に多く作られた写本もすべてが「錯簡」であったことが、
大正13年、佐々木信綱らの研究で判明しました。

錯簡を修正し、「更級日記」が正しい順序で読まれるようになったのは
昭和に入ってからとのこと。

141222_02_004.jpg

講座の後半は、更級日記の主人公の少女(孝標女)が
源氏物語を耽読する場面前後の記述を精読し、
継母や乳母との別れなど人生のどん底とも思える時期に源氏と出会い、
次第に物語に心を奪われていく過程を丁寧にたどりました。

また、更級日記は紀行文としても非常に優れた情景描写が多く、
伊藤教授は「映画化したらとても美しい作品になる」と話しました。

こうした古典作品には当時の日本人の美意識や世界観などが表現されており、
改めて読み直すことで日本文化の原点を探ることができます。

受講生の皆さんも更級日記のテキストを読み、その世界観を堪能しているようでした。

伊藤教授は10年近くにわたり、
更級日記英訳作成のための共同研究を重ねてきましたが、
その研究成果としてこの夏、更級日記の翻訳本
「The Sarashina diary : a woman's life in eleventh-century Japan」
(Columbia University Press)を出版しました。

更級日記は1971年にイギリスの翻訳家アイヴァン・モーリスにより訳されて以降、
海外でも多くの方に読まれてきました。
今回刊行された「The Sarashina diary」は伊藤教授の研究をもとに、
日本の学界の研究水準を反映した、最新の更級日記翻訳本となっています。

141222_02_003.jpg
(写真)伊藤教授の翻訳本を回覧する受講生

伊藤教授の「The Sarashina diary」に関する詳しい情報はこちらから

学習院生涯学習センターでは、
多くの方々の「学びたい意欲」に応えるべく、
さまざまなジャンルの講座を開講しています。

年齢・性別など問わず、どなたでも受講いただけます。

1月からは「冬講座」が始まり、特別講座7講座を含め、
「教養」「語学」「趣味」「実務」や「資格試験講座」、
など全113講座が順次開講しています。

開講科目に関する詳しい情報や申込方法などについては、
こちらの生涯学習センターホームページをご覧ください。

140825_002.jpg

《お問い合わせ》
学習院生涯学習センター TEL: 03-5992-1040


★関連記事:
【生涯学習センター】春季特別講座「西洋美術史」はこちらから
【生涯学習センター】秋期特別講座「ローマとフィレンツェ」はこちらから


学習院女子大学のホームページはこちらから

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: http://www.gakushuin.info/mt/mt-tb.cgi/786

ページの先頭へ