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9月10日(水)・17日(水)、
高等科3年の選択授業「GFP精製カラムクロマトグラフィー」
(担当:鍋山 航 教諭)の授業を取材しました。
前回の授業の様子はこちらから

■ 9/10 《1週目》
今回の実験では、前回の pGLO 遺伝子組換え実験に引き続き、
GFP(緑色蛍光タンパク)を疎水性カラムクロマトグラフィーで抽出し、
高蛍光強度のGFP抽出液を得ることを目的としています。
成功すれば美しいGFPのソリューションが得られます。

通常、カラムワークは肉眼で確認することはできませんが、
蛍光タンパクであるGFPはその動きが良く分かることが実験のポイントです。

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前回作製の pGLO 導入 E.Coli を用います。
写真左が +DNA LB/Amp 、右が +DNA LB/Amp/ARA です。

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各班の生徒たちはバーナーを使った無菌操作で作業を進めます。
2枚の寒天培地プレートから E.Coli を分取し、
それぞれLB/Amp/ARA の液体培地へ移しました。

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これをインキュベーターで24時間培養し、
振盪(しんとう)により酸素を与えることで、E.Coli の増殖を促します。

■ 9/17 《2週目》
この日は、いよいよGFP(緑色蛍光タンパク)の抽出を行います。

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24時間振盪培養後、両者ともに GFP を発現し緑色蛍光に光っています。
それまでは光っていなかった「+DNA LB/Amp プレートから分取した E.Coli 」も、
今回は綺麗に光っています。

これは、液体培地中のアラビノース (ARA)の存在によりアラビノースオペロンがはたらき、
GFPを発現するように性質を変えたことを示しています。
つまり、アラビノースの存在により遺伝子のスイッチが ON になったわけです。

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生徒たちもUVランプで蛍光をチェックしています。

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この光る培養液をマイクロチューブに移して遠心分離にかけます。
遠心で E.Coli を集菌します。

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E.Coli を遠心分離で回収しました。
沈殿が緑色蛍光に光っていることが分かります。沈殿も綺麗です。
この沈殿を懸濁(けんだく)し、リゾチーム(細菌を溶かす酵素)を加え、細胞を融解させます。

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さらに、「液体窒素を用いて凍結→37℃で加温」を2サイクル行います。
細胞を凍らせて、溶かして、を繰り返すことで細胞を完全に破壊し、
細胞内のタンパク質を溶液中に放出させます。

その後、再び遠心分離を行い、今度は上清を回収しました。
不溶性のタンパク質などが沈殿しますが、
目的の GFP は溶液中に溶けだしており、上清に存在しています。

ここからいよいよ本題のカラムワークです。
先ほどの蛍光色のサンプルを、カラム上部にアプライします。

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カラム上部に、ちょうど CD のように「ディスク状」になっている
緑色蛍光部分が見られます。

これは、カラム表面付近に GFP が吸着したことを意味しています。
塩濃度が 2M という非常に濃い溶液を使っており、
そのため GFP が疎水性カラム樹脂に吸着しています。

いよいよ GFP の溶出です。
カラムを Wash した後、カラムに用いる溶液の塩濃度を 10mM まで下げます。
すると、GFP がカラム樹脂より外れ、次第に、カラム下部へと下りてきます。

140929_012.jpg
カラム中を移動するGFPの動きが良く分かります。感動的な瞬間です。
生徒たちもカラムにくぎづけです。

最後に、最も濃い蛍光色の部分が下ってきたところを、
マイクロチューブに回収しました。
これで、高濃度のGFPを得ることができました。
GFPそのものだと透明度が高い蛍光色を発しています。

140929_013.jpg


今回の実験も、全班ともにGFPを回収することができました。


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