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7月8日(火)、9日(水)、
高等科3年の選択授業
「 pGLO バクテリア遺伝子組換え実験」(担当:鍋山 航 教諭)の
授業を取材しました。
前回の授業の様子はこちらから。

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(写真)実験室の様子

今回の授業では、
GFP(Green Fluorescent Protein = 緑色蛍光タンパク質)を組み込んだ
プラスミドDNAをベクター(遺伝子の運び屋)として、
バクテリアであるE.Coli に組み込みます。

本来、E.Coli のコロニーは白色ですが、
遺伝子導入することでその性質を変え、
オワンクラゲ(※)と同様に緑色蛍光に光る性質に変化します。

※紫外線で緑色蛍光に光ることで知られているオワンクラゲは、
GFP(Green Fluorescent Protein = 緑色蛍光タンパク質)を
作り出すことによって緑色蛍光の性質を持っています。

学習テーマは、
「遺伝子組換え技術の理解と遺伝子発現の制御(アラビノースオペロン)」
について学ぶことです。


■ 実験前日(7/7)
スタータープレートの作製です。
E.Coli の培養を前日のうちに開始します。

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(写真)安全キャビネット中でのE.Coli の塗布作業


■ 実験初日(7/8)
原理のおさらいと操作手順の確認から始まりました。

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(写真)今回扱うプラスミドDNAについての説明

今回用いるプラスミド DNAマップです。
GFP、bla、araC、という3つの遺伝子が重要です。

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(図)プラスミド DNA マップ

いよいよ実験開始です。
バーナーを扱って火炎滅菌による無菌操作を行います。
生徒たちも緊張の面持ちです。

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(写真)火炎滅菌による無菌操作①

E.Coli とプラスミド DNA のミクスチャーを作り、
ヒートショック法によって急激な温度変化(4℃→42℃→4℃)を
与えることにより、
プラスミドDNA を遺伝子導入します。

タイムキーパーがカウントダウンしながら、
操作を秒単位で正確に進めていきます。

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(写真)火炎滅菌による無菌操作②

無事に遺伝子導入を終えて、インキュベーター(※)に入れます。
そして翌日まで培養することでコロニーを成長させます。
翌日の結果を待ちます。
※インキュベーター・・・温度を一定に保つ装置

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(写真)インキュベーターに入れる

初日の実験操作を無事終え、みんなホッとしていますね。
ここではじめて笑顔が見えます。

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(写真)1日目を終えて


■実験2日目(7/9)

結果の観察と遺伝子組換え効率の計算、まとめを行いました。
組換え効率の計算には、扱ったDNA量の計算が必要です。

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(写真)計算の説明

どきどきしながらUVランプを照射してみると・・・。
インキュベーターの中でも緑色蛍光が確認できました。

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(写真)緑色蛍光に光るプレート

目的のプレート(左から2番目)が、緑色蛍光に光っています。
今回の実験が成功したことを示しています。
粒1つ1つがE.Coli のコロニーです。

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(写真)E.Coli のコロニー

生徒たちは真剣なまなざしでプレートを観察しています。
得られたコロニー数をカウントし、このあとの計算に用います。

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(写真)観察する生徒①

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(写真)観察する生徒②

【実験結果】
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(写真)緑色蛍光に光るプレート③

左から、
① DNA + LB/Amp
② DNA + LB/Amp/ARA
③ DNA - LB/Amp
④ DNA - LB

の順で、それぞれ

①コロニー形成有り
②コロニー形成有り 緑色蛍光
③コロニー形成無し
④コロニー形成有り(多数)

となり、理論通りの結果が得られました。

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(写真)緑色蛍光に光るプレートを持つ鍋山先生

鍋山先生も、
「緑色蛍光に光るコロニーは美しいです」と
満面の笑みをうかべていました。

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(写真)GFP分子イメージ〔Protein Data Bankより〕


今回、全8班が組換えに成功し、組換え効率も高効率が得られました。
事前学習と練習の成果ですね。生徒のみなさんお疲れさまでした。

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(写真)実験結果


高等科3年の選択生物では、1年間を通して
大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。
次回は、今回作製した GFP発現細胞より、
GFPを高濃度で抽出する目的の実験、
「GFP精製カラムクロマトグラフィー」を行う予定です。


学習院高等科のホームページはこちらから。

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