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第52回財団法人ドイツ語学文学振興会賞選考の結果、
文学部ドイツ語圏文化学科・小林和貴子准教授が【奨励賞】を受賞しました。

授賞対象となった論文は、
「Paradigmenwechsel des Hörens: “Fünf Mann Menschen” von Ernst Jandl
 und Friederike Mayröcker (SWF 1968) 」(『ドイツ文学』、日本独文学会編、第143号、2011年)
です。
授賞式は、5月19日に開催された日本独文学会春季研究発表会にて行われました。

そこで今回は、
小林和貴子准教授に受賞の感想や研究内容などお話を伺ってきました。

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(写真)北2号館文学部研究棟3階


--「インタビュー」-------------------------------------------------

Q:この度は、【ドイツ語学文学振興会奨励賞】の受賞おめでとうございます!
  受賞されたお気持ちを教えて下さい。
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(写真)小林准教授 インタビューの様子
A: とても嬉しいです。
  それまで長い間研究してきた内容とは少し離れた事柄について書いたのですが、
  そのせいもあってか、あっという間に書け、また初めて楽しいと思いながら書くこと
  ができた論文でしたので、それがこのような賞につながったのは光栄なことです。


Q:受賞の対象となった論文の概要をご教示下さい。
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(写真)論文本
A:オーストリア作家のE・ヤンデルとF・マイリュケのオーディオドラマ『5人組の人間たち』
  (南西ドイツ放送協会、1968年)を手掛かりに、この頃の人々の「聞く」行為に
  ついて考察しました。この分野におけるドイツ語作品はその頃まで伝統的な演劇
  理論に依拠したものが多く、とりわけ言語による芸術だったのですが、この作品
  では音楽や効果音も言語同様な表現手段として用いられたり、作品の表す「意味」
  が従来の仕方とは全く違った形で提示されていたりして、聴覚世界に対する新しい
  アプローチが確認できます。メディアの発達に伴う情報量の増大を背景に、オーデ
  ィオドラマの受容に関して、作品に込められたメッセージを作品全体から推し量る
  ような形で消極的に聞くという形から、聴覚テクストを自ら選択し、作品に意味付け
  をしていくような積極的な聞き方に変わったのでは、という仮説を提示しました。


Q:研究室ではどのような研究をされているのですか?
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(写真)研究資料など
A:人々はどのような音をどんな風に聞いてきたのか、ということを考えながら、様々
  なオーディオドラマを聞き、そこでテーマ化されている聴覚とはどのようなものか
  を分析しています。様々なメディア論者が理論的に述べていることは、作品の中で
  どのような形で表れているのか、現代とラジオ放送初期の1920年代とでは人々の
  聞き方にどのような変化があるのか、音声資料の残っていない時代については文字
  資料からどのような「時代の耳」が浮かび上がってくるのかなど、今後、解明して
  いきたい課題です。


Q:ドイツの魅力とは?
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(写真)ドイツの風景
A:緑に川に、いたるところに自然が身近にあるところが好きです。
  それから見た目よりは中身にこだわるところも。


Q:学習院の研究環境はいかがですか?
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(写真)ドイツ語圏文化学科の図書館
A:ドイツ語圏文化学科に専用の事務室がついていて、また充実した学科の書庫も研究室
  の目の前にあり、おかげ様で授業と研究の両立が満足のいく形でできています。


Q:学習院の学生について
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(写真)授業中の風景
A:学年によってカラーが違いますが、素直で真面目な学生が多いと思います。
  謙虚なみなさんの隠れた才能を引き出せればいいのですが!


Q:お休みの日は何をされていますか?
A:本を読んだり、散歩をしたり、平日にもやっていることを淡々と続けています。


続いて、
研究室の学生にインタビューしました。


Q:小林和貴子准教授はどんな先生?

①引田さん
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(写真)引田さん 学部4年生
A:とても優しい先生です。
  先生の授業では一方的な講義だけではなく、みんなで話し合う場も設けてあります。
  授業に積極的に参加でき、みんなとの議論の中で自分の成長を感じられます。
  特に、「どうして? なんで? なんで?」と常に問いかけ、
  普段から何事にも疑問を持つことの大切さを学びました。
  また、授業以外でも進路のことなどプライベートな相談にも
  のってもらい、公私ともに私の大好きな先生です!
  先生に出会えて、本当に良かったです。

②高辻さん
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(写真)高辻さん 修士1年生
A:明るくて、おおらかなお人柄ですね。
  最初に授業を受けた時、この先生から学びたいと感じました。
  授業では、学生をグイグイ引っ張ってくれます。
  比較的難しいテクストでもどんどん読ませてくれ、
  また細かいところまで丁寧に指導してくださいます。
  テクストを読む合間に行うロマン主義についてのディスカッションも楽しいですね。
  授業の密度が濃く、授業後には自信と充実感が得られます。

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小林准教授、引田さん、高辻さん、ありがとうございました。
先生の優しさと教育にかける熱い思いは、
しっかりと学生へ届き、個々の成長に繋がっていました。

詳しくは、文学部ドイツ語圏文化学科ホームページ(こちら)をご覧下さい。

※写真は5月7日(木)、12日(火)、13日(水)撮影。

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