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東日本大震災から11ヶ月。

被災地を想うとき、あるのが当たり前と思っていた食べ物や飲み物についての
有難さを痛感するとともに、これらのものを生み出している人、土地についても
深く考える機会を与えられたような気がしています。

太陽や空気や水、土、どんなに多くのことが一緒に働いて、ひとつの作物が
生まれてきているものなのか・・と。

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今回、学習院女子大学が推進する『産官学連携食教育プロジェクト』の取り組み
として、学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科環境教育センター教授・
品川明先生と、国際文化交流学部国際コミュニケーション学科教授の江口泰広先生を
中心とした学習院女子大学フードコンシャスネス実行委員会主催のイベントが、
文部科学省、農林水産省、イタリア大使館の後援を得て、2月11日から15日にかけて
開催されました。

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(左)運営委員長・江口泰広教授   (右)実行委員長・品川明教授


「食を意識する教育」の第一歩として、そういった教育を実践しているイタリア
味覚教育センターと食教育研究における交流・協力に関する協定で昨年2011年に
合意し、既に2011年にはイタリアでの視察やワークショップも開催されました。


今回はイタリアから大勢の先生方が来日し、イタリア・トスカーナ州での味覚教育の
取り組みについての講演、児童向け「食と感覚の授業」のラボラトリー、
「味覚教育教師養成講座」のラボラトリーなど、日伊共同の様々なプログラムが戸山
の学習院女子大学キャンパスで用意されました。
(「ラボラトリー」とは、理論に加えて体験を含む参加型授業のこと)


こちらは、14日(火)午後に開かれた「幻の魚醤“ガルム”体感ラボラトリー」での
ひとコマ。
イタリアからの講師陣が、その奥深い味と香りを伝え、参加者を古代ローマへと
いざないます。

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おそらくは古代におけるもっとも知られた調味料のひとつであったであろうガルム。
その歴史や、魚の内臓と塩漬けの魚から得られるという製造方法、プラスされる
様々なハーブなどの材料や、ガルムの主な効能(抗炎症作用など)についての
説明後は、色々な食材との組み合わせによるテイスティングです。

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(中央:小さな二つの白い容器、右がガルム、左にはしょっつる)

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生の野菜、茹でた野菜、生の魚、茹でた魚、鳥肉、白米、玉ねぎのサフラン炒めと
白米、オリーブオイルとフランスパン・・・また、ワインや日本酒との相性も
ゆっくり試してみました。
(日本の調味料である「しょっつる」との比較も行いました。)

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(薄い茶色、少し濁った液体のガルム。
 茹でたちりめんキャベツやジャガイモとも良く合っていました。)

沢山のハーブと共に作られるガルムは大変奥深い味わいで、関係者の方達の長年の
研究の集大成です。
どの食材ともぴったりマッチし、飽きない美味しさでした。
イタリアでもまだ発売前であるこの貴重な「ガルム」を、一足先にこのプログラム
で堪能させていただきました。
会場いっぱいの参加者の方達も、口の中でのハーモニーを楽しんでいました。

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右から:
・アンジェロ・フェッラッチョーロ氏
(リグーリア州観光プロモーション局“イン・リグーリア”ガルム研究者)
・ルイーザ・ペリス氏(イタリア味覚センター養成コース責任者)
・アレッサンドロ・ヴェントゥーリ氏(イタリア味覚教育センター代表)

この日の講師であるお三方。大変分かりやすいお話と、ガルムに対する熱い
気持ちがこちらまで十分に伝わってきました。


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「食は命であり、繋がりであり、恵である。
命(食べ物)が産まれた瞬間、産まれた大地や海、食するまでの過程に、想いを
めぐらす機会を提供したい。「味わう」とは五感や心で感じることであり、
地球上の多くの繋がりがあってはじめて成り立つものと意識してほしい。」

実行委員長である品川明教授の言葉です。


また運営委員長・江口泰広教授は、

「まさにフードコンシャスネス(食への自覚的意識)は、既存教育のあり方のみ
ならず、失われつつある日本人の感性の喜びをもたらす人間教育の源泉となり
得る。」とも。


毎日欠かすことの出来ない「食」について、改めて見直す有意義な時間となりました。

皆様もまずは今晩の食卓で、ゆっくり食について考えてみませんか?


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3月にもプログラムが予定されています。
詳しくはこちらをご覧ください。


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(女子大学内 美しく咲く八重の水仙)

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※2月11日に学習院女子大学やわらぎホールにて行われたシンポジウム
 「食から耕す未来と文化」の模様は、「江戸東京野菜通信」というブログで
 詳しく紹介していただいています。

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